多くの社員がより輝けるための人事制度改革を目指して | キャリコネニュース
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多くの社員がより輝けるための人事制度改革を目指して

▲人財開発部 佐藤賢

▲人財開発部 佐藤賢

創業60年以上とブライダル企業として業界内では歴史の長いワタベウェディング。人生の様々なライフイベントが働きながら発生する中、“働きやすさ”と“働きがい”両方の向上を目指した職場づくりに着手しました。10年以上人事に携わる人財開発部の佐藤賢が語る次のフェーズの人事制度に迫ります。【talentbookで読む】

女性社員が全社員の7割の会社だからこその「ママサポート強化」

佐藤 「ワタベウェディングは、現状の法制度より手厚い制度を設けています。たとえば育児休業制度は法令で原則 1年間としているところ当社では、最長 3年間としています。短時間勤務制度では法令で子どもの年齢が 3歳までのところ、 9歳まで可能としています。

さらに 2018年 10月から、 “次のフェーズの人事制度 ”として、現状の制度に加え、『フルタイム勤務促進制度』『スポット延長勤務促進制度』『フレキシブル勤務制度』の 3つの制度が新しく生まれました」

「フルタイム勤務促進制度」は、従来の時短勤務可能期間(子どもの年齢が9歳になるまで)にフルタイムで働く社員全員に対して、子ども1人あたり最大5万円の保育費用を補助するもの。保育園の延長料金やシッター、家事代行など、用途は自由となります。

また、「スポット延長勤務促進制度」では、時短中の社員がスポットで定時を超えて勤務した際に「サンクス手当」として補助金を支給しています。

そして、「フレキシブル勤務制度」は、非接客部門の全従業員が対象となる制度。朝早くから勤務可能な時短社員は、業務開始時間を繰り上げることでフルタイムに近い働き方を可能としています。

ライフスタイルが多様化する中、より多くの社員がより活躍できる会社へ

▲店舗での仕事風景

▲店舗での仕事風景

全社員の内、約7割が女性社員のワタベウェディングは、正社員の平均年齢が37.1歳、平均勤続年数は9.8年です。今回の人事制度改革では、人生の様々なライフイベントが働きながら発生する中で、出産されたママが活躍する場を多くするための制度が際立ちます。

佐藤 「昔は多くの会社で子どもができたら退職という環境でしたが、現在は育児をしながら “仕事を継続できる環境 ”に変化しています。しかし、育児をしながら仕事を継続できる環境だけでは、必ずしも良い会社とならないのではないかと考えました。手厚い支援制度や行き過ぎた配慮によって、ママから成長や活躍する場、キャリアアップの機会を奪っている可能性もあります」

育児をしながら、成長し、キャリアアップできる環境へ。

人材の完全活用の観点から、個人の志向や環境に合わせて、時短、スポット残業、フルタイムを選択でき、それぞれにサポート制度を設けることで、よりアウトプットや会社貢献度を高める。そうすることで評価につなげ、ママでもキャリアアップできる環境を今後も整備していきたい、そう佐藤は考えています。

佐藤 「ママ社員の育児もひとつのキャリアとして捉えています。ママ社員は保育園のお迎えなど時間制限のある中で仕事の段取りをする必要があるため、タイムマネジメント力が優れているんです。子どもは風邪を引きやすく、休んだり早退したりすることもあるので、それに備えたリスクマネジメント力も身に付きます。

さらに、まだ言葉が拙い子どもの思いを汲み取る能力も自然に磨かれていく。これらのママの能力は仕事に生かされることはもちろん、学ぶべき点も多いです」

ママの復職だけにとどまらない。“人事制度改革”の成果は

▲子育て中のママ社員

▲子育て中のママ社員

佐藤 「人事制度改革後、『フルタイム促進制度』を利用する社員がどれくらい出てくるかは未知数でしたが、導入から約半年しか経っていないにも関わらず、既に数人のママがフルタイム勤務に変更しました。『スポット延長勤務制度』はさらに利用者が多く、子どもの年齢や家族のサポート体制など、個人の環境に合わせて柔軟に活用されています」

今回、人事制度改革をしたことで、ママ社員に対する上司の理解・認知も進みました。

佐藤 「若い店長も多いため、今回の人事制度改革で初めてママ社員の働き方を理解できたという声もありました。ママサポート制度を軌道に乗せるには、本人だけでなく、上司や同僚の理解も必要不可欠です。毎日夕方に退社するものの、そこで自分の時間を満喫しているわけではなく子育てと家事に追われるママ社員と、夕方以降に業務を引き継ぐ同僚との間に誤解があれば解消しなければなりません。

よって、新制度の該当社員だけでなく全員に説明会を行い、頑張っているのはママ社員に限らず全社員であること。ママ社員に補助金を配布するのではなく、あくまでフルタイムに近い働き方を選択し、成長やキャリアアップを目指してもらう。その働き方をするための金銭的負担をサポートするものであること。また、時短勤務を否定しているのではなく、環境に応じて必要な方に活用いただくよう説明しました」

またこの改革の効果は、ママの働き方以外にも影響を及ぼしているのです。

佐藤 「『フレキシブル勤務制度』は導入後、すぐに使用する社員が増えました。ママだけではなく、保育園の送り迎えに行くパパにも活用されています。時差のある海外との打ち合せも多いため、出勤時間を調整することで残業削減にもつなげることができました。スポーツジムに行ったり、朝活を充実させている社員も多く、モチベーションアップにもなっていると感じています」

さらにワタベウェディングの人事制度改革は止まらない

▲『リゾ婚オンラインカウンター』での接客イメージ

▲『リゾ婚オンラインカウンター』での接客イメージ

2019年1月には、試験的に「ウェディングプランナーの在宅ワーク」を開始。通常、店舗で接客を行うが、11月にオープンした、ワタベウェディングのWEBサービス『リゾ婚オンラインカウンター』での接客業務を当社初の在宅ワークとして、会社からPC等必要機器を貸与し、オンラインによる接客を実施しています。

佐藤 「在宅ワーク導入のきっかけは、当サービスの企画・立上げを行ったスタッフが、リゾ婚オンラインカウンターは PCがあればオンラインでプランナー業務が可能であることから、『働く場所や時間に制限があるプランナーが活躍できるのでは?』と可能性を感じたこと。それを、人財開発部に提案したことから始まりました。『ママになっても新しい働き方で、働くことをあきらめて欲しくない』という先輩スタッフの想いから動き出した制度です」

リゾ婚オンラインカウンターは新サービスとなるため、現状はトライアルという段階。現職のママスタッフや退職したプランナーの知識や経験を生かすことが可能な場として活用が考えられています。既にマスコミにも取り上げられている「ウェディングプランナーの在宅ワーク」は、従業員にも好評。

子どもが生まれ、ライフスタイルの変化からブライダルの仕事は諦めていましたが、在宅ワークという形で大好きなこの仕事を続けることができ、とても楽しく、充実した日々を過ごしています。子どもが幼稚園に行っている空き時間にお仕事をしています。やはりブライダルのお仕事が好きだと再認識できたので、子どもが小学生に入ったら、いずれはまたフル勤務で復帰したいと思っています──。

そう語るのは30代女性で、ふたりのお子さんを持つ在宅ワークプランナー。ライフスタイルに応じた柔軟な働き方ができることで、新しいキャリアプランが生まれているのです。

佐藤 「ワタベウェディングでは、社員一人ひとりの声を取り入れた、人事制度を次々と導入し、 “働きやすさ ”と “働きがい ”両方の向上を目指していきます。さらには、当社だけでなく、業界全体が真剣に取り組むことで、仕事内容だけでなく働き方でも憧れられるウェディング業界にしていきたいです」

ワタベウェディングは“リゾ婚”だけではなく、“女性の働き方改革”のパイオニアを目指して進んでいきます。

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