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「社員は会社の財産!」 アートネイチャーが「ホワイト企業アワード」を連続受賞した理由

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ホワイト財団/一般財団法人日本次世代企業普及機構が主催する「ホワイト企業アワード」を過去2回受賞し、「ホワイト企業認定」も取得している、株式会社アートネイチャー。

人手不足が深刻化している、理・美容師業界において、ウィッグを扱う同社は、新人が一人前になるまで、時間をかけて研修を行う必要がある。

そんな同社にとって、社員はまさに会社の財産。社員たちがイキイキと活躍できる環境を整えるため、かねてより‟ホワイト化”に向けた取り組みを強化していたという。今回は、具体的な内容についてお話を聞いた。

育児・介護と仕事を両立しやすい職場環境を目指して

営業管理職向け「介護と仕事の両立勉強会」の様子

営業管理職向け「介護と仕事の両立勉強会」の様子

――ホワイト企業認定の取得に至った具体的な取り組み内容を教えてください。

2016年5月に発足させた、女性社員を中心とするプロジェクトチーム「り・ぼんP(プロジェクト)」にて、社内の取り組むべき課題を抽出し、改善する活動を行っています。まずは育児時短勤務期間の見直し(子どもが小学校を卒業するまで)や、育児時短勤務者の業績目標の基準を作り明確化するなど、ママ社員の働く環境を整えました。

また、2018年度には主に管理職に向けて「介護と仕事の両立支援勉強会」を複数回開催し、介護についての基礎知識や、仕事と両立するために利用できる当社の制度などをご紹介するとともに、部下から介護について相談を受けた際の望ましい対応をお伝えする等、介護離職を発生させない環境・風土づくりを推進しています。

同プロジェクトの活動で、2018年度より「一定規模以下店舗への定休日導入」も行いました。こちらは、営業現場の店長やブロック長に実態調査を実施し、その現状や要望を営業部の部長陣や営業担当役員に伝えることで理解を得て実現させることができました。り・ぼんP以外では、男性社員の育児休業取得推進や、全社で社員の喫煙者ゼロを目指す取り組みなども進行中です。

男性の育休取得率67.5%、アンケート実施でママ社員の「不安要素」を取り除く

――こうした取り組みを行ったことで、実際にどのような影響があったのでしょうか。

◇ママ社員の働く環境整備
育児を理由とする時短勤務社員を対象とするアンケートを行い、育児中社員の生の声を聴いて行った改善であったため、直接的に対象社員の不安改善やモチベーションアップ、育児を理由とする退職の予防につながったと考えています。

◇「介護と仕事の両立支援勉強会」開催
基礎知識を伝えるとともに、「介護離職をして(させて)はいけない」「介護と仕事の両立に悩んでいる社員(部下)がいたら、まずは人事部に相談するように」というメッセージを強調して伝えたため、スタッフから相談を受けた上司から人事部へ、相談内容が伝わってくるようになり、介護を行う社員への情報提供等、支援が可能となりました。

◇一定規模以下店舗への定休日導入
定休日導入を行った店舗に対し、導入3カ月後にアンケートを行いましたが、そのアンケートにて、「全員出社の日が増えたことでコミュニケーションが取りやすくなった」「店長として公休日にもお店のことが気になっていたが、定休日があることで心身ともにゆっくりと休めるようになった」「シフトが組みやすくなった」といった声が多く挙がり、働き方改革を推進できたことを実感できました。

◇男性社員の育児休業取得推進
男性社員も育児休業を取得できる環境・風土が醸成されてきました。昨年度の男性育児休業取得率は67.5%となりました。

◇社員の喫煙者ゼロを目指す取り組み
健康経営の一環として、産業医による、全管理職を対象とする喫煙リスク教育(講習会)や禁煙活動に関する補助や支援等の効果で、社員の喫煙率は着実に減少してきています。

インタビューの様子

インタビューの様子

――これまでの取り組みのなかで、苦労した部分もあったのでしょうか。

◇ママ社員の働く環境整備について
育児時短勤務の延長については小学校4~6年生の子供を育てながらフルタイムで共働きすることがどれだけ負担となるかを、タイムテーブル形式で図解化し、経営層に理解してもらうようにする等、双方の間にある認識の違いを無くしていくことに努めました。

◇一定規模以下店舗への定休日導入について
一定規模以下店舗への定休日導入については、経営陣も部長陣も最初から賛成してくれていたものの、お客様満足や営業成績への影響について、しっかりと検討を行った上で実施するよう課題をいただいたので、さまざまな角度から調査・検討を重ね、導入までに1年以上かかってしまいました。

◇社員の喫煙者ゼロを目指す取り組みについて
社員の喫煙者ゼロを目指す取り組みについては、会社としては健康経営の一環として、大切な人財である社員にこれから先も元気に活躍していただくための先行投資と考えておりますが、喫煙中の社員からはプライベートまで会社に管理されているような感覚があるようで、初めは大変反発が大きかったです。

しかし、会社の想いと、現在の医学に基づく喫煙リスクを根気よく丁寧に伝えていくことで、徐々に禁煙者が増加してきました。禁煙に成功した社員が禁煙することの重要性を実感し、周囲に伝えてくれることで、現在は取り組みが加速している状況です。

「先進的な取り組み事例×社内ニーズ」の掛け算で、本当に社員のためになる制度を推進したい

――ホワイト企業認定されたことで、メリットに感じていることはありますか。

もともと理・美容業界の中では、転職希望者から福利厚生や職場環境が評価されてきた当社ですが、社会の風潮としても「ホワイトであること」が求められるようになり、その重要性がより高まってきたことを感じています。

社内ではこれまでの様々な施策を通じて「従業員満足」を高めてきており、社員の平均勤続年数も年々伸びています。ホワイト化に取り組むことで、人財である社員に長く働いていただけていることが、一番の効果であると感じています。

――今後の課題と感じている部分や、目標を教えてください。

これまで同様、先進的な取り組みを行っている企業様からお話を伺い、当社の取り組みレベルを上げていくとともに、社員の声に耳を傾け、当社ならではのニーズをしっかりと掘り起こして、本当に社員のためになる取り組みを行っていきたいと考えています。

※本記事は、認定当時のインタビューをもとに作成しています
 ホワイト財団のインタビューページ

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