絶望的な就職難に見舞われ、正社員で働く人が今も少ないといわれる「氷河期世代」。一方、複数の企業から内定が出るのが当たり前だった「バブル世代」。だいたい前者が40代前後、後者は50代を表した言葉だ。
対照的な就活を経験した両者だが、就職後の社内における印象も両極端だった。企業口コミサイト「キャリコネ」には、本人や後輩社員から
「氷河期入社世代の先輩は優秀な人が多い」(システムエンジニア 28歳女性 正社員 年収516万円)
「バブル世代が飲み会好きで面倒くさいイメージ」(カウンターセールス 20代前半 女性 正社員 年収400万円)
といった声が挙がった。今回はそれぞれの意見を交えながら、上記の口コミの深層部に迫ってみたいと思う。
就職氷河期入社「最初の賞与は1ヶ月分も出なかった」
「氷河期の新卒入社でしたが、同期の数が少なかった」(管理関連職 40代前半 女性 正社員 年収750万円)
「就職氷河期の中でも超氷河期である2000年~2002年入社組の出世は、当時は上がつかえていたため不可能だった」(カウンターセールス 27歳男性 正社員 年収529万円)
「就職氷河期に入社して、かつ商社冬の時代と言われていた時代なので、報酬は満足できるものではありませんでした。特に賞与については最初は1ヶ月分も出なかったと記憶しています」(法人営業 30代前半 男性 正社員 年収500万円)
口コミにもあるように、超氷河期といわれた2000年前後の構図を考えると、高度経済成長期をくぐり抜けてきた団塊世代が上層階を独占し、その下に新人類などと呼ばれたバブル世代がつけ、最下層に団塊ジュニア世代こと就職氷河期の初期世代という逆ピラミッドになる。氷河期世代からすれば不遇な時代ではあったが、逆にストイックな環境で育ったからこそ優秀な人が多いのかもしれない。
「バブル世代は体育会系の飲み会になる。しかも、業務上の弊害が目立つ」
「正直、社員のレベルは高くない。特に氷河期が本格化する前に就職した世代に顕著である」(マーケティング 30代前半 女性 派遣社員 年収360万円)
「バブル期全盛の大量入社をさせた時代で、かなり淘汰はされているが、就職氷河期と言われた時代の中堅社員に比べれば技術力は相当に劣化する。技術上がりの管理職であるため、教育は受けているものの、マネジメントは褒められたものではなく、指示が曖昧、分析・決断力に欠ける、工数を優先させバグ作り込みリスクは後回し等による弊害が目立つ」(半導体開発設計 40代前半 男性 正社員 年収560万円)
「バブル世代が部署の上層にいる事が多く、彼らが好みそうな、体育会系飲み会の雰囲気になることが多い。2次会、3次会、4次会といまだに朝帰りする彼らの体力には驚かされる。時代錯誤な感じは否めない」(CADオペレーター 30代後半 女性 派遣社員 年収400万円)
実際に現場で働く人にとっては、会社を実質的に動かすのは”氷河期世代”、大した仕事もできずに飲みニュケーションを重視するのが”バブル世代”といったところなのだろう。
いずれにしても、そろそろバブル世代の中には退職を迎える人も出てくる。これからの10年で優秀と呼ばれている氷河期世代がどのような活躍を見せるのか注目したい。