「仕事のやりがい」の見つけ方──新卒3年目コンサルタントが伝えたいこと
危機感に突き動かされた就職活動の中で、「人」の魅力で会社を選んだ吉川 貴英。しかし入社後は「人に貢献したい」想いはあるものの、漠然とした不安と壁にぶつかる日々を過ごしていた。 次第に困難を乗り越え仕事にやりがいと成長を感じ始めた吉川は、同じように悩む人に、自分の経験を生かしたいと考えるようになっていく──。【talentbookで読む】
軸は危機感?「手当たり次第」の就職活動
吉川 「就職活動ではどんな軸を持っていたかと言われれば、『なかった』と言うしかないですね(笑)。
周りでどんどん選考が進んでいく人たちと自分を比べたとき、このままだと就職できないんじゃないか?という危機感に突き動かされていたと思います(笑)」
2020年2月現在、新卒3年目を迎えている吉川 貴英は就職活動時代の自分を振り返る。リーダーとして多くのメンバーのサポートを行うかたわら、常に結果を求められるひとりのパフォーマーとしての業務もこなしている。
そんな充実した日々を送っている吉川も、学生時代は「これがやりたい」という仕事が見つからないまま手当たり次第にいろいろな会社の選考を受けていた。そして、ある会社の人事担当者に言われた言葉が、吉川の就職活動に大きな転機をもたらす。
吉川 「その当時は人と話すのが苦手だと思っていました。しかし、人事担当の方は私に対して、むしろ人と話すことに向いているんじゃないかとフィードバックしてくれたんです。
そのように考えたこともなかったので、とても印象的で嬉しかったですね。それをきっかけに『人と深くかかわる会社=人材会社』を視野に入れて活動し始めました」
そうして人材系の会社の選考を受け始めた吉川は、『ユニバーサル就労支援』を掲げ、さまざまな就労弱者を支援するエスプールグループと出会う。
吉川 「人材系の会社は他にもたくさんありました。しかし、私にとってエスプールが他の会社と違っていたのは“人”でした。数多くのリクルーター面談や人事面接を受けていく中で、“この人たちと働きたい”という想いが強くなっていきました。
また、『企業と人のマッチング』という点を重視していることが、自分にとっては良かったですね。実際、志望動機ではなく、これまでの経験や価値観を深堀りするグループワークや面接があり、印象的でした」
こうしてエスプールの“人”に魅了された吉川は、就職活動前には考えてもみなかった業界──人材に携わる仕事に身を置くことになる。人と話すのが苦手だった吉川の、人と関わる仕事への挑戦が始まった。
学生から社会人へ──困難にぶつかりながらも成長する日々
入社後の研修を終えた吉川は顧客企業にあたるキャリアショップへ配属になった。
FC(フィールドコンサルタント)という立場で最前線の営業活動を行うかたわら、派遣スタッフのマネジメントを行う部署で忙しい日々を送ることになる。
吉川 「正直な話をすると、配属発表はかなり衝撃がありました(笑)。『働く』ということに対する心構えがまだできていなかったからではないかと思います。
学生時代と違って仕事をしている時間は長いので、仕事に集中していると学生時代よりも時間の進み方がすごく早く感じます。それに圧倒されている気持ちもあったのかもしれません」
半年ほどたってようやく社会人生活に慣れ始めていたころ、吉川にある変化が訪れる。
吉川 「もともと、『これがやりたい』という想いがない中で就職活動をしていたこともあり、自分が今関わる仕事が自分の今後の人生にどのようにつながっていくのかが、わからなくなりました。自分の成長が感じられなくなっていたんです」
──このままこの仕事をしていて良いのだろうか。
そんな漠然とした不安にさいなまれる中、活路を見いだしたのは吉川自身のある行動だった。
吉川 「きっかけはちょっとしたことでした。ある業務のそれまで標準とされてきたやり方に疑問を感じ、自分なりに工夫してみたんです。するとお客様が非常に喜んでくれました。
『ここまでしてくれたのは吉川さんが初めて』とまで言ってもらえたんです。
そのときに初めて、それまでの言われたことをやるだけの自分から少しだけ前に踏み出せたような気がしました。一度成功体験を積むと、もっと改善できるところはないか、もっとお客様に喜んでもらえることはないかと考えるようになります。
そうして自分でいろいろと考えるようになると、日々自分が成長している実感も得られるようになりました」
こうして就職後初めての壁を乗り越えた吉川は、少しずつ仕事の幅を広げていく。
吉川の試行錯誤の姿勢は徐々に周りからの信頼を得ていき、ついにラウンダーと呼ばれる複数店舗の管理やフォローを任される立場になるのだった。
新たな挑戦──トライアンドエラーを繰り返す日々
ラウンダー業務を任されることになった吉川は、より大きな責任とやりがいの中で新たな仕事への挑戦を始めた。
しかし、当初はその忙しさに圧倒されるばかりだった。
吉川 「ラウンダーは、複数店舗をラウンドしながら各店舗の問題点の洗い出しはもちろん、人手が足りていない店舗にはフォローに入らなければなりません。
その一方でこれまで通り、一プレイヤーとして結果を出すことも求められます。やりがいは非常にありましたが、これまで通りのやり方では仕事を回しきれない危機感も感じていました」
案の定しばらくして、吉川は自分では抱えきれないほどの仕事を抱えるようになった。一つひとつの仕事の質は下がり、ミスも多く出るようになっていった。
吉川 「そのときはどうしたら良いのか、本当にわかりませんでした。
1日のスケジュールを事前に決め、ToDoリストもつくりました。しかし、突発的なイレギュラー対応やミスによる新たな業務が発生し、重くなります。それらをすべて自分で抱えていたので、仕事は増えていく一方でした……」
出口が見えずに苦しむ吉川に手を差し伸べたのは、職場の同僚たちだった。
彼らは吉川が責任感の強さからひとりで仕事を抱え込んでしまうことに原因があると指摘。周りの同僚や後輩、さらには上司に対しても仕事を割り振り、組織として仕事に取り組むことの大切さを説いてくれたのだった。
吉川 「頭では周りと協力することの大切さはわかっていました。しかし自分でできることを周りにやってもらうということに、どうしても遠慮をしてしまっている自分がいることに気付いていなかったんです。
仕事のための組織なのに、遠慮して仕事が進まなくなっているのは本末転倒だと気付かせてもらったことで、仕事への取り組み方が変わりました。積極的に周りの人へ協力を仰ぐことで、周りを巻き込みながら仕事のクオリティを上げ、ミスを減らしていくことにも成功しました」
こうして吉川は紆余曲折を経て、徐々に自分の仕事のスタイルや価値観を築き上げていった。
現在は、3年という時間の中で自分が学んだことや経験してきたことを、周りの人たちのために生かしていきたいという想いを持っている。
「成功する人」と「失敗する人」の差
吉川 「さまざまな仕事をさせてもらってきた中でいろいろな人に会いました。その中でとても印象に残っているのは、以前の自分と同じように最初の小さな壁にぶつかる人が非常に多いことです。
社会人生活そのものへの適用やモチベーションの管理、業務を効率的にこなす方法など、対応しなければいけないことはたくさんあるので無理もありませんよね。
その一方で、慣れや周りからのちょっとした助言などがきっかけで、簡単に壁を超えていく人たちの存在も見てきました」
働き手が減少している昨今、仕事では一人ひとりが今まで以上に力を発揮しなければいけない状況を迎えている。
だからこそ、周りがどのようにフォローして、働き手に力を発揮させるかがとても大切になる。 それは吉川自身が周りに助けられてきたからこそ、強く感じる想いだった。
吉川 「スタッフさんのフォローを行う立場になってみて、自分が悩んできたことやぶつかってきた壁が、誰にとっても妨げになりうるということを強く実感しました。
そして、もともと人と話すことに苦労していた自分だからこそ、寄り添ってあげられる部分や伝えられることがあると思うんです」
さらに、吉川は管理者の立場になってみて、初めて見えてきたことがある。 それは、本当にやりがいのある部分や仕事が楽しくなる手前であきらめてしまう人が多いということだ。
吉川 「多くの場合、管理者は自分の部下になる人にどのように成長してもらいたいか、将来的にどのような業務を任せたいかの想いを持って育成にあたっています。
そのために最初は、基本的な作業の繰り返しや指示通りに動かなければいけない仕事もあります。この段階でモチベーションを落としてしまう人がいるのは、本当にもったいないです。
これからは、仕事で悩む人が何かを諦めてしまう前に、新たな選択肢や視野を提供できるようになりたいですね。それは自分が悩んできたからこそできることでもありますし、これまで周りの人にお世話になった恩返しでもあります」
多くの人が力を発揮できる環境を──。吉川の挑戦はこれからも続いていく。
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