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部下同士の仲が悪い…どうすれば? 目指すべきは“自己重要感”が満たされる職場づくり

カギとなるのは自己重要感

カギとなるのは自己重要感

私の開催する管理職向け研修では、

「部下同士の仲が悪くて困っています……。もっと協力出来ないものかと」

といった悩みを持つ方が多くいます。皆さんのメンバーはいかがでしょうか? お互いを尊重している。そんな組織を作ることが出来ていますか?

今回は、メンバーがお互いを尊重する風土を醸成するために、管理職は何をすればいいのかについて考えていきます。(文:働きがい創造研究所社長 田岡英明)

メンバーの仲が悪い大きな理由”個々の自己重要感が充たされていない”

“自己重要感”という言葉をご存知でしょうか? 人間誰もが持つ欲求で、「自分自身を重要な存在と思いたいし、他人からも重要な存在として認められたい」というもの。

その思いが充たされると自己重要感は向上していきます。自己重要感が低下していると以下のような行動をしがちになります。

1.ファッションに拘る/ブランド物や最新の高級車を購入/寄付をする

2.やたらと多い自慢話/横柄な態度/他人の同情を引くための病気(二次利得)/他人をけなす/批判好き/噂好き

ご覧いただいてわかるように、1 はさほど人に迷惑をかけませんが、2は人に迷惑をかけていきます。話を戻すと、従業員同士の仲が悪い大きな理由として、「個々の自己重要感が充たされにくい職場」が出来上がっていることが想像されます。

チーム内の心理的安全は確保されている?

人の脳は、自分に近い存在や、自分の認識している範囲が広いと安心を感じやすく出来ています。たまたま出会った方が、同じ中学校だったら急に親近感を感じるのはそのためです。

逆に、相手のことをなかなか認識することが出来ないと、脳では不安が先行します。自分の思い込みで行動してしまうので、理解し合えないままいざこざに発展しがちです。

グーグルが行った生産性の高いチームの共通点を探るための”プロジェクト・アリストテレス”によると、因子として一番強チームに”心的安全性”があることでした。

Googleによる”心理的安全性”の定義は「チームメンバーがリスクを取ることを安全だと感じ、お互いに対して弱い部分もさらけ出すことが出来る」とされています。

皆さんの組織には心理的安全性が構築されているでしょうか? これが低いと前述の自己重要感が下がり、メンバー同士のいざこざに発展していきます。

自己重要感が満たされ、心理的安全な職場づくりのために必要なことは?

最後に、お互いの尊重が進み、心理的安全な職場を作るための施策を紹介します。

・感謝のエピソード共有
これは一週間、チームの中で感じた感謝の気持ちを、週末の会議で伝え合うといったものです。まずは管理職自身が、メンバーへの感謝の気持ちを惜しみなく伝えていくことが大切です。

・感情を伝えあう夕礼の開催
これはその日1日、仕事をした中で感じた”辛かった事”や”うれしかった事”などの感情を夕礼で、必ず1人1つ発表しあっていくものです。少なくとも1つは発表してもらうことが大切です。

・ありがとうカードの活用
これは有名ですね。感謝のカードを渡しあうものです。キャンペーンをやるならば”書いて渡した枚数”で競うことが盛り上がる鍵です。

・Fishカードの活用
これはNLPといった心理学の世界で良く使われるカードです。イルカの調教を参考に作られたもので、今までと違った行動が出来たときに渡すものです。変化した行動をたたえて、行動の強化をしていこうというものです。

・ランチミーティングの開催
これは読んで字のごとくですが、導入される企業が多いです。ランチを取りながらフランクな場を作っていきます。

以上、今回は、部下同士の仲が悪いといった職場風土を、どのように改善していったらいいのかについて、その原因から考えてまいりました。参考になりましたでしょうか。あくまでも管理職として組織成果をいかに上げていくかといったスタンスで取り組みを進めてみてください。

筆者近影

筆者近影

【著者プロフィール】田岡 英明

働きがい創造研究所 取締役社長/Feel Works エグゼクティブコンサルタント

1968年、東京都出身。1992年に山之内製薬(現在のアステラス製薬)入社。全社最年少のリーダーとして年上から女性まで多様な部下のマネジメントに携わる。傾聴面談を主体としたマネジメント手法により、組織の成果拡大を達成する。2014年に株式会社FeelWorks入社し、企業の管理職向けのマネジメント研修や、若手・中堅向けのマインドアップ研修などに携わる。2017年に株式会社働きがい創造研究所を設立し、取締役社長に就任。

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