新型コロナウイルスの感染拡大に伴うテレワークの普及で、ウェブ会議の需要が高まっている。そこで、今や最も使われていると言っても過言でないのが、無料のビデオ通話アプリ「Zoom」だ。巷では「Zoom飲み」が流行するなどその用途はビジネスにとどまらない。
ところが、本家とは違う”偽Zoom”をインストールしてしまう人が相次いでいる。情報処理推進機構(IPA)は4月23日、ツイッターで注意喚起した。
「『検索でヒットしたサイトからパソコンにZOOMをインストールして起動したらセキュリティ警告が表示され、表示先の電話番号に電話をしたらサポート料金を請求された』という相談が複数寄せられています。正しいZOOMではなかったのが原因で偽の警告が出たと推測されます」
検索上位にも出てくる「ダウンロードZoom無料(windows)」に注意
同機構はさらに
「ZOOMに関する検索結果に、正しいZOOMではないサイトが紛れている可能性があります。検索結果から安易にダウンロードしないでください。必ず、信頼できる正規のサイトからダウンロードしてください」
と連投。実際に検索エンジンで『ダウンロード Zoom』と検索してみたところ、グーグル、ヤフー、ビーイングのいずれも上位5位以内に偽サイトが表示された。ちなみに、ビーイングでは本家よりも前に表示され、間違えるのも無理はない。
問題の偽サイトは、検索結果に「ダウンロードZoom無料(windows)」と表示されたサイト。作成者は「Dachshund Software(ダックスフント・ソフトウェア)」と可愛らしい社名だが、インストールした人たちは迷惑を被っているという。
ポップアップで「購入」「ロック解除」「トライアル版継続」を促される
ヤフー知恵袋では4月に入ってから立て続けに、誤ってインストールした人からの質問が相次いでいる。質問者によると、パソコンを起動する度に英語のポップアップで「無料で利用できるのは20回まで。これ以降は購入してください」といった趣旨の警告が繰り返し表示されるという。
ポップアップでは「購入」「ロック解除」「トライアル版継続」から選ぶよう促される。IPAによると、こうした偽Zoomをダウンロードして、表示された電話番号でサポートを受けるよう促されることもあるといい、実際に電話すると料金を請求されるケースもあるようだ。
ツイッター上でも「ZoomはZoomでも、全部英語で赤のアプリのやつの、これは詐欺のやつらしいので注意を」「情報ではBingで検索すると上位に偽zoomをダウンロードさせるサイトが表示されるそうなので、EdgeとかIEとかで検索されている方は要注意ですね」と注意喚起する人が現れている。
正規Zoomのインストールはこちら。インストール完了後、すぐにウェブ会議に参加することができるが、会議を主催する際にはメールアドレスなどを登録して、無料のアカウントを取得する必要がある。