コロナ危機、女優降板…災難続きの大河『麒麟がくる』が異常に面白いので絶対見て欲しい件
いやぁ~本当に面白い。なにがって今年の大河ドラマ『麒麟がくる』がだ。NHK総合が1年をかけて紡ぐ時代劇。民放で時代劇が放送されなくなった今、大河は超貴重なジャンルのドラマだ。
『麒麟がくる』は、主役を明智十兵衛光秀(演:長谷川博己)に据え、史実で判然としていない部分も大胆にドラマ化している。史実にないことを描くと、本来の資料との整合性を取るのが難しいと感じるが、視聴者からの反響は概ね好評。
5月10日までに17話が放映されてきたが、史実に沿って架空の物語や登場人物が上手く華を添える形となっていて、観る側の不満も少ない。後々には実際に記録にある光秀の言動がトレースされるようになると思うが、おそらくこのまま光秀像は丁寧かつ鮮烈に描かれるはずだ。(文:松本ミゾレ)
大河『麒麟がくる』は明智光秀の”貧乏くじ”体質も受け継いでしまった?
ところで『麒麟がくる』といえば、放映開始を目前にして帰蝶役だった沢尻エリカのスキャンダルが露呈し、撮影済みのシーンが使えなくなるという前代未聞の危機に見舞われていた。これについては代役の川口春奈が、目下かなり奮闘している。僕は「こっちが帰蝶やってくれて、逆に良かったかも」と思っているほどだ。
苦難はこれだけではない。従来、大河ドラマは概ね50話に渡って展開する。2020年はそもそも夏に東京五輪が開催される予定で、期間中は『麒麟がくる』の放送はできないとなり、例年より短い全44話での完結が見込まれている。
今年の大河はキャストも豪華で話も面白く、しかも合戦シーンがしっかりと野外ロケなので最高に面白いため、個人的にこれが残念でならない。しかし五輪は延期。さらにコロナ禍でNHKでも様々な番組収録が見合わせており、何かと今年の大河は苦難に直面している。
まるで史実にある明智光秀の、数々の貧乏くじを引いたような性質までそっくり受け継いでしまったかのようだ。
外出自粛で暇なら、『麒麟がくる』をじっくり楽しんでみては?
大河ドラマの醍醐味は、名だたるキャストが歴史上の著名人に扮し、”大河”と冠される通り長い時間軸の中で登場から退場までを目まぐるしく描く部分にあると感じている。その点『麒麟がくる』はしっかりと”大河”ドラマをしている。
現在、3クール目の序盤だが、既に数多くの有名武将の存亡が描かれている。毎週ペースで「ああ、この人がここで退場か」と「あ~とうとう出てきた!」が入り乱れて歴史ファンとしては瞬きすら惜しい。
しかも今年の大河はイケメンが多い。僕の周りにも、俳優目当てで視聴し、まんまと歴史好きになった女性も出ている。時代劇にあまり明るくない女性受けもよろしい作品のようだ。
今、まだまだ緊急事態宣言は継続中。今もテレワークや外出自粛にいそしむものの、ド退屈しているという方もいるだろう。そんな方には是非、『麒麟がくる』をオススメしたい。幸いなことに動画配信サービスで視聴できるので、1話から追いかけることができる。
ドラマの中で気になった人物の素性を調べてみるのもいい。インターネットで調べるのもいいが、NHKの『麒麟がくる』公式サイトが意外と見応えがある。戦の情勢、人物相関図、インタビューなどの情報が多く掲載されているため、目を通しておくと、なお本編が面白くなることだろう。
ドラマを観つつ登場人物の出自や最期について調べると、大河ドラマはますます面白くなる。現状なにかと不遇な状況に見舞われている『麒麟がくる』だが、ここまでの展開はこの数年の大河ドラマの中でもかなり熱中できるものになっている。未見の方は今から追いかけてみてほしい。損はしないはずだ。