Withコロナ時代の就活生 2022年卒は“主体的な学生”と“そうでない学生”で大きな差が広がる
新型コロナウィルスによる緊急事態宣言も解除され、いよいよ2022年卒向け新卒就職活動のスタートも加速しています。2022年卒は、主に現在の大学3年生、大学院1年生にあたります。
2022年卒の就活生の相談も増えて来て、今年ならではの特徴があることに気づきました。非常に「主体性がある学生」が多いのです。
就活や、自己分析、企業に関する質問から私個人に関する質問まで、すでにある一定以上調べていることが多いんです。その結果、返答がかなり深いレベルの話になるケースになっています。(文:キャリアコンサルタント 坂元俊介)
2022年卒は新型コロナによる危機感で動く人も
相談を受けた学生に共通していたのは、
・自分のキャリア(就活)を自分事として捉える
・様々な情報収集を早期から開始(早い人であれば去年ぐらい)
・自己分析をある一定行っている
・すでに選考を受けている
という点です。この「主体的に考え行動をしている学生」は、実感値ですが去年の数倍はいるように感じます。5月末時点で2022年卒の学生30人強と面談しましたが、Withコロナ時代でも、きっと自らが望むキャリアを勝ち取るだろうな、と思える人ばかりです。
去年の学生と何が違うのかを知りたくなり、私から質問をしてわかってきたことがあります。
1.コロナにより就活の危機感が増した
昨年、経団連の就活ルール撤廃というニュースがあり、就活を早期に始めた方が良いという危機感が醸成されていました。さらに今年は新型コロナウィルスの影響で内定取り消しや選考取り消しなどのニュースが流れています。その結果、主体的に情報収集と行動を起こす学生が増えたようです。
2.普段の活動が休止したから
部活や研究、アルバイトや長期インターンなど、大学生活の中で熱中する活動がある人ほど就活を始めるのが遅くなるという傾向が例年ありました。今年はこれらの活動が休止になったため、主体性をもって活動する先、が就活になったという人も多いです。
3.オンライン就活で活動がしやすくなった
オンライン就活になったことで時間の制約や距離の制約が取り払われ、主体的に動いて獲得できる情報が格段に増えました。面談した人の中には、既に20社以上の企業と接触し、自分自身が行きたい会社を見つけている人もいました。
大学休校などで“主体的に動く人”につられて動くことがなくなっている
一方、現時点において就活に対して動いている2022年卒の学生の数自体は、去年に比べると少なくなっています。
これは、「大学」「サークル」「ゼミ」「部活」「アルバイト」というオフラインの場が無くなったからです。いつもなら主体的に動く人を見て、つられて動いたり、無意識に情報が入ってきたりしますが、その状況になっていないからだと考えられます。
つまり、例年より「主体的に動いている学生」と「そうでない学生」の差がかなり開いていくのではないでしょうか。
コロナの影響で、2022卒の就活は全体的に厳しいものになることが予想されます。しかし、主体的に考えて行動する学生にとっては、かなりチャンスにもなる状況です。
地方の学生も、オンライン就活が進んでいるため、主体性さえあれば非常にチャンスです。今まで物理的に参加できなかったイベントや説明会、選考会に参加することが出来るようになるからです。
サマーインターンや企業の選考、就活サポートサービスのオンライン化も進んでいます。自らのキャリアを主体的に考え行動できれば、Withコロナの時代でも自らが望むキャリアを歩めるのではないでしょうか。
【坂元 俊介】株式会社STORY CAREER代表取締役/キャリアコンサルタント・採用人事コンサルタント
同志社大学経済学部卒。新卒でリクルートHRMK(現リクルートジョブズ)入社。中途・新卒領域における求人広告媒体の営業に従事、その後、営業として3つの新メディアの立ち上げを行う。リーダーや大手担当を経験。Webベンチャーでのオフィス長経験を経て、30歳になるタイミングで家業の和菓子屋を継ぐとともに、企業の採用コンサルティング会社を立ち上げ、採用人事支援なども行う。リクルートの同期が立ち上げた株式会社STORYの法人化の際に、取締役に就任。大学生・第二新卒層のキャリア支援をおこなうSTORY CAREER事業部の責任者を兼任。2020年4月、STORY CAREER事業部の拡大に、同事業部を分社化、株式会社STORY CAREERの代表取締役に就任。毎年数百名の大学生・社会人のキャリア支援を行っている。