NPOのPRを志して見つけた場「広報の力を通じ、社会課題に挑む人を支えたい」 | キャリコネニュース
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NPOのPRを志して見つけた場「広報の力を通じ、社会課題に挑む人を支えたい」

▲高校時代に初めて訪れたケニアで、マサイ族の皆さんと

▲高校時代に初めて訪れたケニアで、マサイ族の皆さんと

ひとしずく株式会社は、非営利団体やソーシャルグッドに取り組む企業に特化した広報支援を行なっています。そのPRコンダクターとして活躍するたかはし あすか。学生時代から長年携わってきたNPOの活動を広めるべくPRの仕事に就き、持ち前の行動力を生かして前進し続けた日々を振り返りました。【talentbookで読む】

国際協力への関心から、初めて訪れたケニアの虜に

私がPRという仕事を志すようになった過程を語る上で、重要なキーワードが3つあります。それは、「海外」「NPO」「伝えること」です。

私が通っていた小・中学校は、帰国子女が多く、同級生や先輩、後輩から世界各国の様子を聞くことが多かったんです。また、私自身も幼いころから旅行好きの母親に連れられ海外を訪れた経験から、国際協力活動や異文化に強い関心を抱くようになりました。

入学した高校では、ケニア共和国に行く希望制のサマープログラムがあることを知り、さっそく応募。ケニアには1週間ほど滞在して、サファリツアーをしたり、マサイ族の村の小学校で交流をしたり、現地の食事をつくったり、国連機関で働く日本人の方の講演を聞いたりと、体験型のプログラムを満喫しました。

初めて訪れたケニアは、とても居心地がいいと感じられる国でした。大の動物好きということもあり、ライオンやキリン、ゾウなどの野生動物を実際に目にしたときは感動。明るくポジティブなケニア人とのコミュニケーションも楽しかったですね。帰りの飛行機に乗るころには、「大学生になったら、なんらかの形でまたケニアと関わろう!」と決意していました。

NPO活動で芽生えた、「志高く頑張る人々の魅力を伝えたい」という想い

▲日本ケニア学生会議、第10期本会議は日本で開催

▲日本ケニア学生会議、第10期本会議は日本で開催

大学入学後すぐ「ケニアと関わりたい」という想いをかなえるため、自分にできる活動を探しました。そんな中、日本とケニアの大学生によって構成される学生団体「日本ケニア学生会議(JKSC)」を知り、4月末には加入することに。両国の学生メンバーが夏休みの期間を利用して、日本またはケニアに滞在して会議を開催するのが主な活動です。毎年テーマを決めてディスカッションやフィールドワークをしました。

大学2年生のときには、日本人側の委員長を務めることになり、会議の日本開催を成功させるためにメンバーと協力しながら奔走しました。この経験を経て、日本人メンバーとケニア人メンバー、全国の大学に散らばる日本人メンバーの関係性を深めるため、「相手にどのように伝えたら伝わるか?」と考えるコミュニケーションの基本について学んだように思います。

2年という期限が設けられていた「日本ケニア学生会議」の活動を終えた後は、「伝えること」について掘り下げたいと感じるように。そこで、大学生向けのウェブサイトで学生記者を始めました。各大学のサークル活動や学園祭の取材を中心に、ときには企業の社長インタビューといった貴重な経験をさせていただくこともありましたね。

それと同時に、大学生と高校生が対話する場をつくるNPO「カタリバ」、チャリティ音楽イベントの開催プログラムを通じた教育プログラムを実施しているNPO「ブラストビート」にも参加するように。このころは、「伝えること」を軸に、「文章で伝える」「話して伝える」「音楽で伝える」といった活動に打ち込んでいました。そしてNPOでの活動に取り組むうちに、「志高く頑張る人々の活動や魅力を伝えたい」という想いが芽生えるようになったんです。

就職活動では、当初、グローバルな海上運送業を中心とした物流業界を志望していました。その一方で、大学入学後からNPOの活動に力を注いできたこともあり、「NPOの活動を広める存在になりたい」と、PR業界も候補に。

ところが、就職活動が本格化した2011年3月、東日本大震災が発生し、あらゆる企業で就職活動の延期を余儀なくされました。日本社会が揺らぐ混乱の中、「これからの時代は、いつ会社がなくなっても生きていけるようなスキルを身につける必要がある」と強く感じたんです。そこで個人でも事業を展開できるPRの道に進むことを決意し、総合PR会社に入社しました。

PR会社勤務の傍ら、NPOでプロボノ活動、大学院で広報を学び修士号取得

▲社会情報大学院大学の修了式で同級生たちと

▲社会情報大学院大学の修了式で同級生たちと

総合PR会社入社後は、食品や生活家電に始まり、外資のシステム会社から女性向けのスマホゲームまで、さまざまなPR案件を担当することに。一般向けイベントの開催や展示会の広報事務局の運営、メディアリレーションなど業務全般を経験しました。とくに私がやりがいを感じられたのは、一般向けのイベント現場です。ゲームショーに出展するクライアントのブースの企画・運営を担当していたとき、来場客の方々が展示ブースを体感して笑顔になり、クライアントが喜ぶ様子を目にした瞬間は感慨深かったですね。

社会人4年目からは、社外での活動としてNPO「二枚目の名刺」にプロボノとして加わりました。社会人が本業とは別に一定期間継続して行う活動や仕事、役割を持つことをサポートする団体です。会社とは異なるコミュニティに身を置くことで、視野や人脈を広げられました。

さらに社会人6年目になると、広報のスペシャリストを育成する専門職大学院として社会情報大学院大学が創設されたことを知り、「NPOの広報について学びたい」と受験して合格。毎日働きながら週3~4日ほど夜間に学ぶ生活を2年間続けて、1期生として広報情報学の修士号を取得することができました。

また、ちょうどそのころ、PR Tableに掲載されていた記事を読んで、ひとしずくを知りました。「まさに私が求めていた会社だ!」と感じ、知人を通じて代表のこくぼ ひろしに連絡。「いつかひとしずくのような会社で働きたい」と伝えました。

その後、「ソーシャルグッドに関わる人々を集めたゼミ(So good Zemi)を毎月開催するから、参加してみないか?」と声をかけられ、ゼミ長として加わることに。毎回、ソーシャルグッドに取り組む方をゲストスピーカーとしてお招きして、参加者同士でディスカッションをするという内容でした。そんな活動を続けるうちに、ひとしずくという会社や関わるメンバーたちのことを知っていきましたね。

やがて、ひとしずくでの活動に費やす時間が増えたことにより、「広報のプロとして、NPOの広報支援をしたい」という想いが募っていたんです。人生で何を優先させるべきか時間の使い方を見つめ直した結果、ひとしずくへの転職を決断。2018年4月に入社しました。

ひとしずくには、NPOへの恩返しをビジネスとして展開できる環境がある

▲ひとしずく入社1日目、社員合宿での1コマ

▲ひとしずく入社1日目、社員合宿での1コマ

ひとしずくに入社してからは、児童健全育成推進財団とナイキが開発した運動遊びプログラム「JUMP-JAM」、アジアで子どもたちへの教育文化支援を行う公共社団法人「シャンティ国際ボランティア会」、教育に特化した国際基金「GPE(Global Partnership for Education)」などのPRを手がけました。環境保全に取り組む公益財団法人「WWFジャパン」を担当したときは、動物好きとして嬉しかったですね。

最近は、イベント運営好きなことが社内で認知されて、自治体などのイベント案件を任されるように。一般の方々にとって、社会課題は「暗い」「難しい」「自分の生活からかけ離れている」といったネガティブなイメージでとらえられがちです。そこで、エンタメ要素を取り入れたコンテンツに参加してもらうことで、社会課題へのハードルを下げるようなイベントを企画できたらと考えています。

また、ひとしずくは、2020年1月に持続可能なイベント運営のためのマネジメントシステム規格である「ISO 20121」を国内で6社目に取得。「環境」「ダイバーシティ」「危機管理」という3つの視点に基づいた「サステナビリティチャレンジリスト」を作成し、今後のイベント運営に活用していく予定です。

ひとしずくに入社して丸2年が経ちました。NPO活動を始めた大学生のころから身近だった団体をサポートしつつ、「自分のホームグラウンドともいえるNPOに関わる現場に戻ってきた!」という、生き生きとした感覚を味わっています。CMや広告などによって商品やサービスを広く伝えることができる一般企業とは異なり、予算規模が小さいNPOなどは、すばらしい活動をしていても世の中に知られていないという現状も。だからこそ、私はこれからも、NPOを始めとした社会課題の解決に取り組む人々を広報・PRの力を通じて支えていきたいと思っています。

ひとしずく株式会社

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