東京女子医科大学の募集要項がネット上で話題になっている。来年度の募集要項によると、看護師の募集人数は330人。同医科大では、400人以上の看護師が退職する意志を示しており、これに対応するものではないかと推測する人が相次いでいる。
事の発端は、新型コロナウイルスによる経営悪化だ。同医科大は、約30億円の赤字を理由に、夏のボーナスを支給しない方針を発表。労使の団体交渉のやり取りを記載した「組合だより」がネット上に拡散されると、理事会代理人のあまりに心ない発言の数々が批判を浴びていた。
経営陣にとって看護師は使い捨てなのか
中でも、最も注目を集めたのが看護師400人の退職に関する返答だ。組合側が「看護師の退職希望者の予想数が400名を超えると聞いたが、そのことに対してどう考えているのか」と問いただしたところ、
「深刻だとは思うが、足りなければ補充するしかない。現在はベッド稼働率が落ちているので、仮に400名が辞めても何とか回るのでは」
などと発言。仕舞いには「組合に心配してもらうことではない」「足りなければ補充すれば良いことだ」などと退けている。
この対応にツイッターでは、看護師に同情する声が多く挙がった。目立ったのは「看護師を使い捨てだと思っている」といった意見。このほかにも「職員を人ではなく駒としか見ていない」「ボーナスに関わらずこんなところで働きたくない」という人が相次いだ。
賞与欄には「2019年度実績/4.45カ月」とあるが……
同医科大の2020年度の募集要項では、看護師の募集人数は来年度と変わらず330人で、看護師約400人の退職意向はまだ反映されていないものと思われる。前述の発言の通りに”補充すれば良い”と考えているなら、22年度以降の募集人数が数百人レベルで急増する可能性もある。
また、賞与の項目には「年2回(支給時期:6月、12月、2019年度実績/4.45カ月)」とある。前年度の実績を掲載しているため、募集要項を見ただけでは「ボーナスがもらえる」と勘違いしてしまう人が出るのは避けられないだろう。はてなブックマークにも
「まるでボーナスがもらえるかのような募集要項」
「来年は賞与のとこに2020年実績書くのかな」
などとコメントをする人もおり、22年度の募集要項が出た際にはその記載内容が再び注目を集めそうだ。