“個人が主役の評価経済をつくる” 『タイムチケット』が目指す社会のあり方 | キャリコネニュース
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“個人が主役の評価経済をつくる” 『タイムチケット』が目指す社会のあり方

0827timeコロナ禍も契機となって働き方が大きく変化し、在宅ワーカーや副業への関心が高まる中、個人の時間を気軽に売買できるCtoCプラットフォーム『タイムチケット』が注目を集めている。

タイムチケットで販売されるサービス(チケット)の内容は、料理レッスンやビジネスコンサルティング、写真撮影などなど多岐に及び、ユーザー登録者は現在28万人。取扱高はこの3年で30倍に成長した。コロナ禍の現在、チケットの約7割がオンライン上で完結するものになり、登録者が伸び続けているという。

今回は「個人の可能性が誰かの価値になる」「個人が主役の評価経済をつくる」ことを掲げるタイムチケットの取り組みを、運営元の株式会社タイムチケットでCEOを務める各務正人氏に聞いた。

“コトのシェアリングエコノミー”で副業の呼び水に

各務 正人氏

各務 正人氏

各務氏は2004年に、社員が企業を評価する口コミサイト『キャリコネ』を運営するグローバルウェイを設立。同社が『タイムチケット』を買収したのは2016年、『キャリコネ』ユーザーへの聞き取り調査がきっかけだったという。

「就活生や20~40代の会社員に話を聞くと、『社内で自分が好きなことができず、前向きに楽しく働けない』『将来が不安。収入を増やしながら誰かに貢献したい』という声が非常に多かったんです。モノではなくコトのシェアリングエコノミーのマーケットがあれば、会社に依存して働く前提が変わり、働く人が本当に潤う社会を実現できると考えました。

企業なら採算が合わず参入しないような小さなマーケットでも、個人間ならマッチングできることがあります。市場性も非常に高い。タイムチケットでチケットを販売するには特別な専門家である必要も、本業で手に職がある仕事をしている必要もありません」

タイムチケットが『キャリコネ』と提携して誕生した『キャリコネトラスト』(口コミを書き込んだ現役社員から直接詳しい話を聞けるサービス)にも、「誰にでも何かできることがあり、その可能性を誰かのために役に立てられる場を作る」という理念が象徴的に現れている。

「キャリコネには、転職活動をしている人が知りたい希少な情報を持っているユーザーが存在しています。『いい学生を採りたい』という人事の立場で候補者を見極めるOB訪問などと違い、報酬がもらえる『キャリコネトラスト』では情報を提供する側が、正しい情報を伝えようとする。自分が働く会社について教えることなら比較的誰でもできますし、雇用のミスマッチを減らすことにも繋がります」

著名な個人投資家も出資 働く人のためのプラットフォーマーを目指す

ビジネスから恋愛まで。販売されているチケットは多岐にわたる

ビジネスから恋愛まで。販売されているチケットは多岐にわたる

個人が主役となり、サービスの価値が適正に評価される社会を目指すタイムチケットでは、フリーランスのエンジニア/デザイナーを対象にした案件・仕事紹介サービスも展開。個人と企業との取引も活発だが、”信用評価経済”の形成を目指すタイムチケットは、他のクラウドソーシングサイトや人材派遣サービスなどとは大きく異なる特徴を持っている。

「タイムチケットは信用のない個人間でサービスを売買することから始まったサービスのため、取引履歴や評価を蓄積し、マーケット上で開示することでユーザーの信用力を確立しています。チケット販売者は評価され、サービスのレベルを高めていくことで自信がつき、自ら有利な取引条件を提示できるようになっていくんです」

当然、企業と個人の信用力の差にはバックアップ体制の有無なども反映されているだろう。だが企業などに属さない個人であっても、個人同士でユニットを組み、万が一の際のバックアップ体制を整えることが一般化していけば、その差はさらに縮まり、企業体の概念すら変わる可能性もある。

「一般的な仲介業者は低くても25~35%程度のマージンを取るのがザラですが、仕事を紹介された人にはそうした情報はあまり開示されません。個人が弱くて企業が強いからです。案件を掲載するだけの仕組みでは構造改革はできても、安い価格で大量発注する企業が優位なままでしょう。

タイムチケットでは運営が仲介役となり、取引情報の開示に合意いただく契約書を撒いています。企業の発注額、受注する個人の報酬額、運営の手数料(平均手数料率11~15%)も全て開示し、守秘義務に反しない範囲で過去の仕事、クライアントと受注者双方の評価をオープンなかたちでシステムに格納する。結局、そのほうが良い人材も集まるんです」

ネットを介して短期の仕事を請け負う、いわゆる「ギグワーカー」の存在も社会問題となっている昨今だが、取引の透明性の高さから個人ユーザーからの支持も厚いタイムチケット。企業と個人のビジネスのあり方を変える牽引役として、投資家からも大きな期待が寄せられているようだ。

「タイムチケットは多額の投資がいる事業で、第三者割当増資によって機を逸せず事業を伸ばしていく方向に舵をきりました。僕自身1億5000万円ほど出資しているんですが、外資系IT企業や一部上場企業の役員や社長など、著名な個人投資家の方々も応援してくれています。プラットフォーマーとして『働く人たちの課題解決に成功した』と言えるように、数百億~1千億円規模の売上を誇るユニコーン企業を目指していきたいです」

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