プログラマ歴18年の人に聞いた「周りが超優秀でもやっていける」仕事術 | キャリコネニュース - Page 2
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プログラマ歴18年の人に聞いた「周りが超優秀でもやっていける」仕事術

ーー Oさんが最初にプログラミングに触れたのはいつ頃ですか。またプログラマとしての経歴についても教えて下さい。

「プログラミングを始めたのは小学4年生か5年生の頃です。当時はパソコンもないので、ファミコンにつないでプログラミングができる”ファミリーベーシック”という機械を使っていました。

中学高校ではプログラミングから離れていたのですが、理系の大学に進学してからは趣味でウェブのプログラミングを始めましたね。卒業後は大手電機メーカーに就職して、機械設計の仕事をしていました。

しかしもっとユーザが触れる部分の仕事がしたくなり、2003年にニュージーランドの会社にプログラマとして就職しました。最初の仕事はカーナビで使われるソフトウェアの開発でした。

ニュージーランドに来たのは、家族との時間を大切にしたいと思ったからです。日本で実現できないわけではありませんが、より実現しやすい雰囲気を感じられたのが大きな要因としてありました。それ以来ずっと海外でプログラマとして働いています。

現在は保険関係のスタートアップ企業に勤めていて、ウェブで保険加入を行うためのフォームなどのアプリケーションを主に開発しています。TypeScriptとReactが主な使用言語とライブラリです」

ーー長年プログラマの仕事を続ける中で、最新技術に付いていくのが難しくなったことはありますか?

「基本的にものを作るのが好きなので、特に意識したことはないですね。

仕事外では、Twitterで技術系のアカウントをフォローしたり、Q&AサイトのQuoraを見たりして、日常的に情報収集しています。職場でも同僚が技術的な話題を話していることが多いので、そこから情報を仕入れることもあります。

最新の技術についていくのがやっとなことは、しょっちゅうです。特にウェブ業界はトレンドの流れが早くて大変ですね。スタイルシート(css)関連の実装も変化しているのは知っていますが、どうしても昔ながらのやり方に落ち着いてしまいます。

いまの業務で使っているものだと、TypeScriptの『型』は難しいですよ。少し複雑になってくると、理解するのが大変なことがままあります」

ーー新しいものを勉強してもわからないとき、どのように対処されているのでしょうか。

「わからないときは諦めます(笑) 理解できないものとして脇においておきますね。

『オブジェクト指向』など最たるもので、若手のころに書籍を読んで勉強してみましたが、当時はまったく理解できませんでした。

しかしその後、自分のスキルや知識が向上したあとに勉強してみると、以前はわからなかったことがスッと理解できたことがありました。

ですので、必要以上に理解に時間を使わないように意識しています」

ーーわからないことに落ち込むことはないんでしょうか?

「基本的に、自分がそんなにできると思ってないんです。ベースラインが低いので、技術についていけないこと自体は心配していません。

中学生のころまでは周りと比べて勉強ができる方だったんですが、学習塾で上位のクラスに入れられたときガーンと順位が下がったことがあって。そのときから、上には上がいるなと感じていました。

仕事でも周りは優秀な人ばかりなのでキツイなと思うことはありますけど、現に今までやってこれましたから」

ーー海外生活が長いと、同僚も優秀な方たちが多かったのではないかと思います。その中で成果をあげるために意識していることはなにかありますか。

「確かに、GoogleやNetflixに転職したような優秀なエンジニアたちと働いてきたこともあります。しかしいくら優秀な人でも、すべてのことについて知っているわけではないですよね。

たとえばスマホアプリの技術にすごく詳しい人でも、ウェブの技術は案外知らないことがあります。また英語ネイティブの人は多言語対応についてまったく考えていなかったりします。

優秀なエンジニアでも知らなかったり、意識していなかったりする部分について的確な発言をすると、一目置かれるようになるんです。そのときに『あ、俺ここにいてもいいんだ』と感じる気がします」

「何を作るか」を目標にしよう

ーー未経験からプログラマを目指す人に対して、何かアドバイスがあればお願いします。

「プログラマになることを目指したら、なった瞬間に目標がなくなってしまいますよね。なってからがスタートなので、プログラマになること自体を目標にしないほうがいいのではないかと思います。

私は大学生の頃にブログを書いていたんですが、もっと楽に書けるツールがほしいと思って自分で作っていました。それで自然と技術が身について、結果的にプログラマになっていたという感じです。

プログラマになりたいよりも、こんなものを作りたいをモチベーションにするのが、長くプログラマを続けるためには大切ではないでしょうか」

Oさんの言葉からは、仕事を楽しんでいることが伝わってきた。できないことを気にしすぎないという、自然体な姿勢も印象に残った。がんばらないとできないことは長続きしない。長く一線で働き続けられる人は、肩の力を抜くのが上手な人、ということなのかもしれない。

【筆者プロフィール】はっしー
ニュージーランド在住のウェブライター。日本のIT業界の激務に疲れ果て、残業のない職場を求めて2014年にニュージーランドへ移住する。現地企業のプログラマーとして4年半勤めたのち退職。現在はライター業のほか、将棋教室運営、畑の草むしりなどで生計を立てている。

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