エネルギー事業の枠を超えてビジネスフィールドを拡大中 新グループ体制で活動を開始した大阪ガスが求める人材は「チャレンジ力」 | キャリコネニュース - Page 2
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エネルギー事業の枠を超えてビジネスフィールドを拡大中 新グループ体制で活動を開始した大阪ガスが求める人材は「チャレンジ力」

国内有数の大手都市ガス会社である大阪ガス株式会社は、2020年4月に事業部門を分社化し、国内エネルギー事業の中心的役割を担う3社、「Daigasエナジー株式会社」「大阪ガスマーケティング株式会社」「Daigasガスアンドパワーソリューション株式会社」が事業を開始。さらに法的分離措置を踏まえ、2022年4月に事業を開始した「大阪ガスネットワーク株式会社」を加えた新たなグループ体制で事業活動をスタートさせた。

幅広い分野で活躍するグループ各社のシナジーを活かし、社会課題解決に向けた推進力を高める大阪ガス。日本のエネルギーの明日を担う同社にとり、新型コロナウイルス感染症の流行はどんな影響を与えたのか。さらなる価値創造に邁進する上で必要となる「ポストコロナ」の人材とは。人事部採用育成チーム課長でキャリア採用担当の勝 広樹さん、係長で新卒採用担当の清原 七海さんに伺った。(聞き手:千葉郁美)

関西圏以外の学生にもインターンシップの機会が生まれた

大阪ガス株式会社 人事部 採用育成チームの勝さん(右)と清原さん(左)

大阪ガス株式会社 人事部 採用育成チームの勝さん(右)と清原さん(左)

――2020年4月に緊急事態宣言が発令されたことをきっかけに、人々の生活は一変しました。企業の採用活動においても面談をオンラインで実施するなど、それまでにはなかった方法での採用活動となったかと思います。御社は折しもグループの体制変更がなされたタイミングとなりましたが、採用活動にはどのような影響がありましたか。

勝さん:他の企業と同様にオンラインの面接や説明会が主流になったのは大きな変更点でした。対応を変更するのは大変でしたが、メリットも少なくありません。

キャリア採用においては、候補者さんとの面接実施までのハードルが下がった感触があります。以前は、就労中の候補者さんとの面接日程を検討するところからハードルが高かったのですが、オンライン面接を一部取り入れることで時間や場所といった制限をクリアしやすくなり、スムーズに面接を進めることができています。またそれによって多くの方と面接できるようになりました。

清原さん:新卒採用において特徴的な変化は、インターンシップのオンライン化です。当社は関西を拠点とするエネルギー会社なので関西圏在学中や関西出身の学生さんには認知度が高い会社ですが、それ以外の地域の学生さんには認知度が低い。そのためダイレクトリクルーティングを実施して会社の認知度を高めつつ、オンラインによるインターンシップを実施していることを周知しました。距離的制限のないことが学生さんに受け入れられ応募を増やすことができました。

またオンラインによってインターンシップの実施回数を増やすことができるようになりましたし、当社への理解を深めるトークイベントなどの取り組みを細かく設定できるようになったのも大きな変更点です。

会社の雰囲気を伝えるため一部対面回帰

大阪本社「ガスビル」

大阪本社「ガスビル」

――インターンシップについて、対面で行った場合とオンラインとでは取り組み方が異なり、狙った効果を得られない場合もあると思います。実際のところ、学生さんからはどのような反応をもらっていますか。

清原さん:学生さんへのアンケートでは、対面での開催を希望する声は大きかったです。その理由として、社内の雰囲気がオンラインでは分かりにくいという声がありました。ビデオ通話画面では社員の「オン」の状態の姿しか見えないので、社員同士が普段どのように関わっているのか実際に会って感じてみたいというものでした。

対応策として、オンラインによる社員との座談会やランチタイムなどを企画してみたものの、やはり対面でなければ人となりや雰囲気のような部分は伝えられないことがわかり、その反省を踏まえ、今夏に開催した24卒のインターンシップはオンラインと対面を複合した「ハイブリット」形式で実施しました。

1DAY型のイベントはオンラインを継続して、多くの学生さんに参加していただく格好で進め、現場体感型のインターンシップについては事前の説明会や選考はオンラインで行い、現場体験は部門ごとに少人数を受け入れる形を取りました。

この方式は学生さんから非常に好評で、「対面でインターンシップを実施する会社が少ない中で、できる限りの配慮をしながら実施していただきありがとうございました」というお声を多くいただきました。やはり学生さんにとっても、リアルに体感できる職場体験がしたいのだろうと、我々としても再認識したところです。

――オンラインのいい部分を残し、これまでのやり方を組み合わせることで効率も格段に上がりそうです。こうした「ハイブリット」の形はキャリア採用でも取り入れることができそうですね。

勝さん:オンライン化したことで母集団形成がしやすいというプラス面がある一方で、最終的に当社へ決めていただくという点に関してはオンラインだけでは難しいと感じておりましたので、すでにハイブリットで進めています。

一次面接のようなフランクにお話をお聞きするような面接はオンラインで行い、最終面接に近いタイミングでは実際に当社の魅力をより知っていただく目的も含めて、直接お会いしてお話をさせていただくという流れにしています。

脱炭素、再エネ、海外事業拡大 時代の変化をチャンスと捉え挑戦

Daigasグループが出資し、2021年9月に商業運転を開始した尻別風力発電所(北海道)

Daigasグループが出資し、2021年9月に商業運転を開始した尻別風力発電所(北海道)

――現在の採用体制と今後についてお聞きします。御社は2020年4月に事業部門3社が独立し、さらに2022年にはネットワーク部門の独立を果たし新たなグループ体制を築きました。
以前は人事や採用の部門は「大阪ガス」一括だったと思いますが、分社化を経た現在、人事採用はどのような体制を取られているのでしょうか。

勝さん:採用活動には、非常に多くの労力と人手を必要とします。一方で、新たに設立された4社については、もともと大阪ガスの事業部門から独立した経緯もあり、採用活動に従事できる人材が少ないという課題がありました。この課題に対し、採用事務などの間接業務はグループで集約し、各社には候補者さんへの魅力訴求や面接に専念してもらうことで、Daigasグループの総合力を活かした活動を展開しています。

これまで大阪ガス単体では新卒・キャリアともに一定数の採用活動を行なってきた経験がありましたが、今回、Daigasグループとして採用活動に取り組むことは、新たな「チャレンジ」でした。特に新卒採用は広報も含めて約2年もの時間をかける長丁場の活動になりますので、新たに設立された4社においては、新卒採用1期生となる2024年卒学生さんの採用に向けて、試行錯誤を繰り返しながら活動を進めている状況です。

――最後に、エネルギー企業として脱炭素化をはじめとする社会課題の解決、そして持続可能な社会への貢献に邁進していこうとされている御社にとり、今後必要とされる人材を教えてください。

清原さん:新卒採用では、職種や配属で個々に求める資質は様々ですが、大きくは当社のビジョンやマインドに共感していただけることが大切だと考えています。人物像としては、思いを持って最後まで粘り強く行動する、周りをうまく巻き込み、主体的に動く。そして向上心を持ち素直に学び続ける力を持った方を求めています。

勝さん:キャリア採用ですが、当社は中期経営計画において海外での売上構成比率を飛躍的に高めていくとともに、脱炭素化の観点から再生可能エネルギーの電源開発を短期間かつ広範に拡大していく等の方針を示しております。そうした方針を達成していくためにも専門分野で活躍する即戦力人材の獲得は重要ミッションになっています。昨年からは通信事業にも参入するなど、社内にはない知見を必要とする新規事業も増えており、ますます高度な専門知識を持つ方を外部から獲得する必要性が高まっています。

そうしたなかで求める人物像としましては、社会課題や世界情勢を含め非常に変化の激しい時代であるいま、この環境を楽しめる方、そしてそういった環境をピンチではなくチャンスだと捉えて前向きに取り組んでいただける方、チャレンジ精神旺盛な当社のマインドを共有してくださる方に期待しています。

必要となるスキルや専門性は、ポジションごとに変わりますが、最終的には長く勤めていただいてご活躍いただきたい。そのためにはやはり、根底にあるマインドを共有していただけることが大きなポイントになると考えています。どんどん前に出て積極的にチャレンジしていく、そういった方をぜひ採用していきたいです。

【プロフィール】 勝 広樹(かつ・ひろき)
人事部 採用育成チーム
2000年入社。家庭用営業部門、秘書部、事業部門の人事総務担当等を経て、2021年4月から現職。

清原 七海(きよはら・ななみ)
人事部 採用育成チーム
2016年入社。エンジニアとしてプラント設計を担当したのち、2020年4月から現職。

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