3階建てのこの施設には、トイレが1、2階にしかなかった。その少なさゆえ、かつてこんなトラブルが起こった。
「開発実験棟の個室トイレ(大)にたまたま派遣社員が入っていて、正社員が使えなかった」
些細な出来事だが、なんとこの一件が原因で、トイレの使用に以下のような「優先使用権」が定められてしまった。
「1に正社員、2に定年後再雇用社員、3に契約社員、パート、アルバイトとのことでした。派遣社員は社外の人間なので、一般の来客者が使用する事務管理棟の1階のロビーのトイレを使用するように言われました」
同じ職場で働いているのに、別棟の来客用トイレしか使えないのだ。これでは、疎外感を覚えるだけでなく時間の無駄だろう。しかもこの職場では、服装によって雇用形態がすぐわかるようになっていた。
「正社員と派遣社員は作業服とヘルメットの色、デザインが違うので、ひと目で違いが分かりました」
これは差別ではなく「区別」だという言い分もあるかもしれないが、派遣社員からすれば格差を助長させる仕組みだろう。辟易した男性は、半年後にこの派遣先を辞めたと話している。労働者の尊厳を傷つける風潮からは、身を引いて正解だったろう。
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