上司がスーツなら自分もスーツ! 「同じ服装にすると出世しやすい」は本当か
どうすればラクに出世できるか、というのは会社員にとって大問題だが、3月12日放送のバラエティ番組「ホンマでっか!?TV」(フジテレビ系)で、ひとつの答えが示された。「上司と同じような服装にすると出世しやすい」というのだ。
英国の大学の調査が元になっており、デイリー・メールが2013年9月に報じたところによると、68%のマネージャーが「自分と似た服装の部下は信用が増す」などと回答したという。
自分と違う服装は「遠ざけたい心理」が働く
番組では、生物学者の池田清彦氏が「自分と同じ服を着ている人は危険じゃないと思う」という心理を紹介した。似た服装の部下を上司は「引っ張って出世させたいと思う」のだといい、自分と違うエキセントリックな服装の人には、自分から遠ざけたい、という心理まで働くのだという。
服装は外見だけでなく、その人の考え方や価値観も反映される。上司からしてみれば、自分と同じブランドの服を着ていたりする部下は、自分と同じ価値観を共有している使いやすい部下、と感じるのだろう。
日本のサラリーマンといえば「ドブネズミ色」と揶揄される地味なスーツを着る人が多いが、これも同じメカニズムによるものなのかもしれない。
欧米でも、キャリアのために上司と同じ服装スタイルにすることは一般的なようだ。ウォール・ストリート・ジャーナルにも、「新しい上司の着任は、新しい服装の基準ができることでもある」などとするコラムが掲載されたことがあった。そこでは、
「上司がスーツしか着ない場合、オーダーメードのスーツまたは上質の素材を使ったスーツに投資するべき」
「上司がカーキ、ジーンズ、ポロシャツを着ないなら、自分もそうすべきだ」
「上司のスタイルが自分と相いれなければ、自分のスタイルを失わずに上司のスタイルの要素を取り入れよ」
などの方法論が紹介されている。
安易な真似は逆に嫌われることも
その一方で、真似することが逆効果になることもある。Q&Aサイトには、女性のユーザーから「同性(女)の部下がつきまとってきます」という相談が寄せられている。
相談者によると、部下が自分の服や持ち物、行動を真似してくるのが「正直気持ち悪い」という。
「立場上、むげにはできないので困ってます。彼女は一体どういうつもりなんでしょうか?」
真似をするのは、そのスタイルに魅力を感じている証拠で「最高の賛辞」という見方もあるようだが、人によってはそれが嫌な場合もある。
前述の番組で池田氏は、上司と同じような服装の人は無難で、そこそこの出世はするが、自分というものがないので、「社長にはならない」とも語っていた。上司のスタイルを取り入れるのも結構だが、ほどほどに、ということだろうか。