通勤手当は「直線距離で支給」に疑問の声 「道路はまっすぐじゃない」「社員は空飛べるのか」
「通勤手当」というと、電車やバスの運賃を計算して勤務先が実費で支給する場合が多いが、世の中には「直線距離」で支給額を決める会社もある――。はてなブログで、そんな話が紹介されていた。
一次面接を受けた会社が「直線距離に応じて交通費を支給する」というルールだったという。筆者は「社員の中にでも空飛べる奴いるのかい? 今の時代に直線距離って」と突っ込み、せめてグーグルマップで移動距離ベースを調べるべきと主張している。
直線距離ルールで「1万5000円」が自己負担に
人が移動するときは道路や線路に沿って移動せざるをえないので、直線距離で考えるのは現実的ではない。ネットには「道は直線じゃないのよ~!!」「自宅から職場まで直線で通えるのはアラレちゃんぐらいですよね?」という声もあった。
ヤフー知恵袋には、同じように悩みを寄せている人がいた。内定をもらった会社が、やはり自宅までの直線距離に応じて交通費を支給する規定になっていたという。
交通機関を使うと、実費では月額2万3000円かかるが、直線距離ルールのために8000円までしか出ず、残りの1万5000円は自腹になってしまうのだという。
求人票には「3万円まで交通費支給」と書かれていたというから、騙された気分になるのも無理はない。このような会社に「皆さんなら勤めますか?」と相談している。
直線距離で通勤手当を支払う会社では「〇キロ以下の場合は交通費を支給しない」というルールを適用しているようだ。「2キロ以下だと通勤手当なし」とする会社が多く、これに泣かされる人もいる。
「任意の支払い」なので、なかなか文句も言えず
人事総務情報サイト「総務の森」のQ&Aコーナーにも、通勤距離が直線でギリギリ2キロ以内なので交通費が支払われないと嘆く、倉庫会社アルバイトの男性からの相談があった。
この会社では、会社から2キロ以上だと一日一律500円の交通費が出る。1日500円の支給があるとなしでは大違いといい、「1ヶ月以内にやめる人が非常に多い中1年半以上も頑張ってきてるのにその結果がこれでは虚しくなってきます」と憤っている。
この男性は普通に通勤すると赤字になるので、普段は自転車で通い、雨の日だけ電車とバスを使っているという。
ただ、1~3キロの距離だと、通勤手当の申請はしておいて実際には乗らずに歩いてしまう人もいるので、会社側が「不正受給」を警戒している可能性もありそうだ。実際、ネットには不正受給対策として「直線距離2キロ以内は手当なし」を就業規則や労働契約書に明記することを推奨する社労士もいた。
それでも「不正受給」を防ぐ手段として「直線距離」を採用するのは筋が通らないが、一見公平そうに見える基準なので質が悪い。ネットにはこのルールを非難する声が多いが、通勤手当の支払いは法律で義務付けられておらず、会社の任意によって支払われるもののため、なかなか文句が言えないのが実情のようだ。
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