人の生き方ってさまざまあるけど、どんな人生にも個性がある。「一般的なサラリーマンをやっているだけ」という人だって、それすら出来ない人から見れば輝いて見えるものだ。
早くに結婚してマイホームを構える人生は大勢が憧れるものだし、世界中をせわしく飛び回る仕事をする人生も、悪くない。(文:松本ミゾレ)
「楽しく、刺激的で、長期的な悩みも持たないこの生き方を気に入っています」
ガールズちゃんねるに先日「職や住居を転々としてる人」というトピックが立った。てっきり収入が安定せず、つらい暮らし向きの人が立てたものかと思ったが、さにあらず。
この人物はおおよそ3~4年で転職を繰り返しており、その度にあえてこれまでとは違う都府県に引っ越しをしているんだという。現在は30代独身で、一生独身だろうとも書き込んでいる。またいくつかの資格を取得しており、さらに業界が人手不足なので仕事もある、とも。いいことじゃないか!
その上で「楽しく、刺激的で、長期的な悩みも持たないこの生き方を気に入っています」と書き込んでおり、同志との対話を求めている。僕はこういう人生、いいと思うなぁ。
2008年に『百万円と苦虫女』という邦画が公開された。100万貯まるごとに職場も住まいも転々とする女性の映画なんだけど、アレのポジティブ版という気がした。
「行動力がない」と嘆く声
さて、このトピックへの書き込みを見ていると、転々と仕事も住まいも変えるという生活に「そうしたい」という反応が結構多い。ただ、実際に同じようなことをする決意を固めるって人は、そう多くないようだ。
「そうしたい欲はあるのに、行動力がない」
「そうしたいけどオバサンになった時にどうしよう」
「手に職持ってればできるよね。わたしはなんのスキルもないからできない。いいなぁ」
「友人に1人そういう生き方をしている子がいるけれど、その生き方が一番人生楽しんでそうに見える。飽きた頃に全てリセットできるなんて羨ましい」
やっぱり家だとか家族だとか、守るべきものが出来ちゃうとそうそう真似はできないよね。中には、この素晴らしい生き方を素直に「いいね」と言えずに「社会的に信用がなさそう」だの「家が金持ちなんだろ」みたいな書き込みをしている人もチラホラ。せっかく面白い経歴の人が、その面白さを書き込んで紹介してるんだから黙って読めばいいのに。
僕はどうしても、一か所に落ち着いてしまうとなかなか腰が上がらないタイプ。しかも、家には猫もいるから引っ越しにも二の足を踏んでいる。だから、トピックを立てた人とはまったく逆の性格なんだけど、それでも色んな場所で働いて、身一つで生活できてるなんて、素直にかっこいいって思っちゃうなぁ。
ただ、もちろん生活基盤をしっかり築いて、身の回りに頼れる友人が大勢いる生活の方が安定しているのは言うまでもないこと。いろんな生き方があるけど、どの人生が自分にとってしっくり来るのか。トピ主の生き方を真似する場合も、よくよく考えて真似しなきゃいけないだろう。