「毎日渋滞に巻き込まれながら車で1時間かけての通勤も嫌だった」と女性は振り返る。
「残業もかなり多く、独り立ちすれば基本夜中までということを入社してから知った。仕事量も営業訪問、アポ電、顧客管理、記事作成、校正チェックなど多岐に渡り、定時に帰っている人は誰もいなかった。毎週校了があるため、深夜に及ぶことも」
過酷な労働環境に加え、さらに女性を追い込んだのは訪問先で出される苦手な飲み物だった。
「研修中最もストレスだったのは、訪問先で飲めないコーヒーを出されること。断ることもできず、1口飲むだけでも苦痛だった」
新人が営業先で出されたものを拒むのは難しいだろう。「それくらいのこと」と言われるかもしれないが、本人にとっては深刻な問題だ。また「社訓もブラック企業を体現したような文言で、近くを通る度寒気がした」と嫌悪感をあらわにしていた。
結局、女性は「ちょうどゴールデンウィークが被りそのまま退職の意向を伝えた」という。入社3週間での決断だ。退職について「満足です」として、
「その時上司に『かなりの倍率をかいくぐってきているし、どうか辞めないで欲しい』と言われたがそのまま退職となった。実家からほど近いところへ転職しました」
と顛末を綴っていた。