男性は当時、勤めていた高級自動車の販売店で、会社側から
「営業なんだから自分の取り扱っている車に乗らなきゃダメだ!」
と強制的に車を買わされたという。「今振り返ると拒否して会社を辞めればよかった」とまで思っているそうだが、当時はまだ社会人になりたてだったこともあり「そういうものだ」と思ってしまった。おまけにその会社に入社するために引っ越しをしており、辞める選択肢がなかったという。
「一番安いグレードを購入したのですがそれでも約400万円。社員値引きをしても残価設定型の5年ローンで月5.5万円でした」
新卒で400万円のローンはあまりにも大きい。しかし会社の制度として、自社の車を買った場合、「期限付きで月々ローンを補助する」というシステムがあった。
「3年間は補助を2万円もらえるため、最初の3年間は月々3.5万円の負担で高級車に乗ることができました」
と綴る男性。収入もそこまで多くなかったが、「これくらいなら家賃を払いながらでも問題なくいける」と思っていたという。
しかし入社して1年経ったあたりで上層部が入れ替わり、会社が一新されるという出来事が起こる。
改悪が相次ぎ…最終的に「ローン補助が短縮」
男性の働いていたディーラーは全国的に見ると売り上げが平均より低く、「社員の意識を改革しなければいけない!」という考えが新しい上層部にはあった。そこでまず行われたことが「営業用の会社携帯の廃止」だった。営業が客にかける電話代を自腹にすることで、
「一回一回の電話でできるだけ契約を取ろうと必死になるだろうという魂胆」
があったと男性は綴る。次に行われたのが「社内ミーティングの回数の増加」だ。月一回だったミーティングを週一にし、さらにそのミーティングに上層部が参加。売れていない週は罵詈雑言を浴びせられることとなる。
さらにはタイムカードが廃止され、勤務時間があやふやになったという。月の残業時間は100時間を超えていたものの、勤怠上は0ということにされていたというから驚きだ。
それからも「色々改悪があった」と綴る男性。最後に行われたのが「ローン補助期間の短縮」だった。3年もらえるはずの補助が2年になってしまったという。
今までの改悪のストレスによって周りがどんどん辞めて行く姿を見て、男性も限界を感じて退職。
「車は退職してすぐに売り払いましたが、ローンの残りと差額が80万程でてしまい、車もないのにただ80万を払い続けることになってしまいました。もう少し会社の様子を見てから購入を考えるべきだった、なんならもっと早く辞めていればよかったと後悔しています」
と、悲しげに綴った。そもそも自爆営業のような強制購入だったわけで、会社側がこうしたケースに対して何も責任を負わないのは腹立たしい。