男性は、個人経営の寿司店でバイクを使った配達アルバイトをしていた。ある日、バイト中に交通事故に遭ってしまう。
「寿司の配達が遅れ、お客様からキャンセルの連絡があった際、寿司代金を給料から天引きされた上に、バイクの修理代金を請求された。泣いて詫びたら『保険が下りるから許してやる』と言われ、バイク修理の話はされなくなった」
交通事故の保険が下りることを知らない高校生に対し、修理代を請求しようとしたのだろうか。あまりにも大人げない対応だ。そのうえ
「どんな理由があろうと稼ぎ時である土日は休むことを許されなかった。高校の文化祭があるために休みたいと2か月前に申し出たところ『お客様に“文化祭があるので”と言って注文を断るのか?!』と恫喝された」
高校生に文化祭を休ませ出勤を強要するのは度を超えているというほかない。男性は学校の文化祭を優先するために辞める意思を伝えた。すると
「『出勤しなかったら損害賠償で訴える』『お前のような奴は社会で役に立たない』などと電話で恫喝された。あまりに怖くなって両親に介入してもらい、その後は何もなかったが、辞めた月に働いた分の給料は支払われなかった」
両親に間に入ってもらったのは正しい判断だったが、店主の不誠実な対応は最後まで変わらなかったようだ。
「個人店は経営を守ることが主眼になっていて、従業員のことは考える余裕がない」
結局、働きだして5か月で辞めたという男性。当時のバイト先についてこう振り返っている。
「個人店は経営を守ることが主眼になっていて、従業員のことは考える余裕がないという実情を知り、良い社会経験になった。アルバイトなのですぐに辞めることができたが、これが正社員ですぐ辞められなかったら、と思うとゾッとした。店主の妻、娘、息子がいつも働いていて、大学に行くのを諦めたと話していた」
自分の子どもの進学を諦めさせてまで店を手伝わせるのは理解に苦しむ。無事に退職できたことは不幸中の幸いなのかもしれない。
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