「当時はスマホもLINEもなく、やきもき待つだけでした」とのことで、連絡を取る手段もなく心配なまま、日付が変わった頃ようやく夫が帰宅した。女性はことの次第をこう綴る。
「東京から横須賀線に乗り戸塚で降りるはずが気がついたら久里浜。慌てて上り電車に乗り、また爆睡して着いたのがなんと木更津」
恐ろしいことに三浦半島の先のほうまで行ってしまい、折り返したら戸塚どころか東京を過ぎて千葉県まで行ってしまったのだ。
「やっちまったと再び乗り、やはり寝てしまい今度は逗子。やれやれとまた乗って今度は津田沼。今度こそは!と起きたのが大船、惜しい。そこで諦め大船からタクシーに乗ったそうです」
どれだけ疲れていたのか、夫は再び三浦半島へ逆戻りし再び千葉まで行ってしまった。電車に乗るたび爆睡し、起きては驚きを繰り返し散々だったようだ。それでも
「夫は『東京湾に沿って弧を描いた。弧が段々と振り幅が狭くなっていくものだと感心した』とポジティブシンキングでした」
と綴っていた。