男性は長年介護業界で勤務経験があり、現在はデイサービスで働いている。
「前の職場で主任ケアマネジャーに重箱の隅をつつくような指導をされまくったおかげで、すっかり精神を病んだ10年前。『もう転職して環境変えないと死ぬ』と思って、今の職場の面接を受けました」
と転職活動をしていたときだ。面接の際に通された相談室に入ってきたのは、「強面のオジサン」だった。
「自己紹介もしないうちから、いきなり『おめぇは何を思うてこけぇ入ろうと思ったんなら』と岡山弁丸出しのガラの悪い話し方で、志望動機を聞かれました。『これが噂の圧迫面接か』と思って落ち着いて答えましたが、最後まで同じ調子で質問を続けられました」
面接官は履歴書を見て、前述のとおり「職場をいろいろ変わっとるけど、問題起こして辞めたわけじゃねぇじゃろうな」「いろんな所と付き合いあるから、嘘ついても調べりゃ分かるんじゃからのう」など話してきたという。
おそらく圧迫面接と思ってやっているのではなく、ただ単純に意地悪な人だったのだろう。男性はその時の様子を「まるで犯罪者の取り調べのようでした」と振り返る。
「面接官の自己紹介によると、その人は施設の施設長=責任者でした。『ここまで言われなきゃいけないのか』『初対面の人間によくこんな口がきけるな』と辛く悲しくなりましたが、転職したいために我慢して答えました」
内定をもらったものの恫喝と暴言が平常運転
圧迫面接を耐えた男性は採用され、この職場に就職。
「その施設長のガラの悪さは全く変わらずで、あれが『素の姿』でした。普段から恫喝するような話し方と、見境のない暴言を吐き、職員が自分の期待通りの動きをしないと怒鳴り散らすのは当り前でした。要するにパワハラが常態だったわけです。職員は次々に辞めていき、どんどん顔ぶれが変わっていきました」
面接の場だけでなく、施設長は常日頃から態度も言動もひどかったのだ。男性は辛抱強いタイプなのだろうが
「私も10年我慢しましたが、増える業務とパワハラに耐えかねて今月で退職することにしました」
と顛末を綴った。
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