男性は、大手子会社について「『忙しい割に儲からないから正直やりたくない仕事』を本体から押し付けられるという側面があります」と主張する。
「誤解を恐れずに言うと、『本体にいる高学歴で有能な人たちにやらせるのはもったいない仕事』の受け皿として子会社があるというのは、どうにも否定しづらい現実ではないかと思います」
ちなみに男性は「いわゆるMARCH卒」とのこと。一方、本体には旧帝大や早慶卒が多かったため、転職前は「『本体と子会社で入社難易度も必要な学歴も違うんだから致し方ない』と割りきっていました」と明かす。
しかし、中堅企業本体への転職をきっかけに、男性の仕事内容は一変した。男性は、
「転職後は所属するグループ全体のネームバリューは落ちたものの、どちらが楽しいかと聞かれれば圧倒的に今です」
と断言する。
「『別に課長止まりでもいいや』と思っていたのですが、出世にも興味が出てきました」
男性は前職と現職の違いについて、次のように述べた。
「特に企画系の業務は、以前はまず本体がすでに方針を事細かに決めて、子会社はその方針を現場に落とし込むだけという感じ。ざっくり言ってしまうと、自分の知らないところで7割くらい決まったモノが降りてきて、あとの3割の細々した業務といった感じでした。今は逆に0を1にする仕事といった感じで、携わる仕事も全社のリブランディングや組織開発、新規事業への参画など、全社への波及効果が高い仕事や、レバレッジを利かせられれば大きな収益が得られる仕事が中心で、以前とは持てる裁量権に天と地ほどの差があります」
男性は「なるほど、本体というのはこういう仕事をしていたのか」と、今になって実感したという。やりがいのある仕事は、思いがけず男性の出世欲までも刺激した。なんと、
「若い頃はあまり出世欲がなかったため『別に課長止まりでもいいや』と思っていたのですが、人の価値観は変わるものです。徐々に仕事を覚えて余裕が出てくると、出世にも興味が出てきました」
と言うのだ。働く会社が違うだけで、人はここまで変わるのかと驚かされる。
男性は自身の転職を「率直に言って成功だったと思っています」と総括し、
「転職や就職ネタを扱ったYoutubeなんかを見ていると、大手子会社への就職を一発逆転などと表現するコンテンツが散見されますが、個人的には少し疑問に思う次第です」
と投稿を括った。すべての大手子会社が男性の言うような状況にあるわけではないだろうが、就職活動時には参考にしたい話である。
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