男性は、当時の「ポリシー」をこう振り返る。
「『レジは速さと正確さでナンボ』という尖った考え方でした。並んでるお客さんからすれば、速い方がいいだろうと」
「今思えば若気の至り」と少し反省しているようでもあるが、そんな男性のポリシーを歓迎する客もいたらしい。愛想よりも「早さを求める人」は、男性のレジに並んでくれたという。
この結果に、社員ももう文句は言わなかった。男性は「諦めですね(笑)」と明るく語っているが、効率重視で働く男性の姿勢は、社員にとってありがたいものだったのではないか。
また、特に社員から評判が良かったこととして「レジの最終精算ですね」と胸を張る。一日の売り上げを計算するレジ締めの作業だ。
「私自身も早く帰りたかったので、 閉店時間の30分前からレジしながら準備しており、最後のお客さんの精算が終わってから最短3分で『みんな帰るよ~』って感じでした」
接客業は客が帰ってからの作業が多く残業になりがちだが、驚異的な速さだ。このやり方は次第に店に定着していったそうで、
「いつのまにかそれが標準と化し、バイト仲間もみんな30分前から準備し始めていたのは何だか可笑しかったです」
と振り返る。店舗運営の効率化に、確実に貢献したようだ。
このバイトをしている間は「掛け持ちでいろいろなバイトもしたり、専業期間は半分ほど」だったというが、「40歳を超えた今でも、当時の社員さんやバイト仲間の一部と連絡」を取り合うほどの仲が続いているそう。最後に、
「いろいろと社会勉強もさせていただいて、いい思い出です」
と満足げに締めくくった。
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