おそらく女性は、暮らしの中にうるおいを求めていたのだろう。しかし楽しかった恋バナも、長く続くにつれ「お互いに嫌気がさしていた」という。
そんなある日のこと、女性が留守にしていたときに家に電話をかけてきた友人は、応対した夫に次のように頼んだのだった。
「あの子〇〇ってうるさいから(夫くん)から注意してやめさせて欲しい」
〇〇は、女性が恋心を抱いていた異性の名前だった。夫は伝言通り、「もう彼女に〇〇の話はするな」と女性に言った。アプリのことを夫に話していたという女性も、夫の口から名前が出てきて、さぞかし驚いただろう。
会ったことはないとはいえ、夫以外の男に恋心を抱いた自分に非があると女性は認めつつも、友人の言動は許しがたいものだったようだ。
「いくら夫がおおよそは知っているとはいえ、直接夫に言う? と思いました」
女性はまた、友人の言い方にも引っかかっていた。友人は、女性が家庭を壊す前に恋心を捨てさせようと告げ口したのではなく、単に自分との会話で話題に出すなと言ったからだ。
「夫に注意喚起するならともかく、ただ『やめるように言って』は言語道断です」
この伝言を機会に、女性は友人の電話やLINEなどをブロックし縁切った。
「最終的にこの件だけではないのですが離婚という結果になってしまいました」
離婚の原因は他にもあるようだが、この一件も少しは影響しただろう。
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