男性が会社に失望したきっかけは、「海外での修繕工事期間」にあった。3か月という大がかりな工事予定は会社初だったというが、担当者に選ばれた男性はたった一人で現地派遣された。ちぐはぐな采配に男性も戸惑ったことだろう。
その修繕工場には、別件で他の海外拠点からも社員が派遣された。そちらは約3週間の小規模な工事だったが、正規担当者を含め二人体制で監督をしていた。それを見た男性は失意を隠せなかった。
「会社は私を捨て駒にしか見ていないと感じました」
さらに会社の杜撰な管理体制は、「現場の実態」に現れていた。現地には外国人のスタッフが二人いたというが、その働きぶりをこう明かす。
「ミーティングルームで一日中スマホをいじってすごしておりました」
「現場での実態を会社が把握していないという点に将来の危機を感じました」
そんな彼らの月収は「日本円換算で70~120万円」だという。一人で負担を抱える男性からすれば腹に据えかねる思いだったろう。監督業務の負担が大きいと感じ、上司に増員を頼んでも、人手不足を理由に断られた。部長が「2回ほど」訪問してくれたというが、あくまで「様子見」と他人事のような対応に終始した。
出発前にもトラブルが…「タイミングを見計らって辞めました」
そもそも、この海外出張の前にも会社と「一悶着」あった。それは出発直前のこと。現地での打合せが土曜日に予定されていたため、男性は金曜の昼間に移動を開始する計画を立てていた。しかし会社側は「就業時間後か土曜朝の移動」を強いてきた。出張も仕事なのに、通常勤務が終わってから行けという話だ。
しかし、現地の領事館への挨拶を「金曜午後」に約束していたため、会社側は当初の計画を渋々承知したという。
こうして多くのトラブルに見舞われながらも、現地での工事は「無事完了」した。しかしその達成感では拭いきれないほどの過酷な日々をこう振り返っている。
「現地86日間の工事も無事完了しましたが、出発前の平日5日間を加えた91日間のうち休みをもらえたのが2日半だけでした」
約3か月間働き詰めとなり心身の限界を感じたのか、「この時に退職を決心し、タイミングを見計らって辞めました」と顛末を明かした。その後は仕事のペースを見直したようで、最後にこう書いている。
「現在は年収は下がりましたが、それ以上に労働時間が減りホワイトな生活をしております」
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