「社長のPCだけローカルにしているから被害は本人だけだけど」と明かす女性。一応社内ネットワークは構築されているようだ。しかし、
「サーバーの入れ替えや、IT化提案しようものなら、稟議書読む前に即却下」
と取り付く島もない。一方で、社長が孫とLINEするため最新のiPhoneを買った時には……
「使い方わからず、毎日3時間のスマホ教室を事務員の私に開催させるありさま」
ウイルス対策ソフトの導入には5年の時間を要した上、今入っているソフトは時代遅れのものばかり。女性はこう懸念している。
「取引先結構大きいところもあるのに万一(情報)流出やサイバー攻撃が来ても対処できない。IT保険も未加入だし。コピー機だって何十年落ちなの?」
業務効率化のためのツール導入も一向に進まないそう。「給与計算ソフト」の稟議書も即却下されたため、女性がExcelで自作したところ、呆れる一言が返ってきた。
「作れるならソフトなんて買うことないね~」
もちろん、コストを考えて新しいソフト導入に踏み切れない事情があるのかもしれない。しかし、女性は「60歳って、ロータス全盛期時代の人間でPCのありがたみを一番知ってそうなのに」と社長の姿勢に疑問を隠せない。
「一番知らないうえに、人間も時代遅れ感半端ない…だから、会社の経営傾いてるんだよね…先代からの取引先があるからギリギリ持ちこたえてるだけで」
社長にもいつかITの必要性を認識する日が来るのだろうか。


