だが、男性の腹の底には別の思いがあった。
「良い会社でしたし昇格試験もパスして給与面でもまずまずの状態になりましたが、これだけは我慢ができませんでした」
男性は、「本当の理由は課長代理との人間関係です」と明かす。待遇には満足していたが、直属の上司との折り合いが悪かったことが決定打となったようだ。
「怨嗟の矛先は課長代理に向けられ……」
そして退職が決まった後、部長がとった行動が男性を困惑させた。「部長からの私の辞職を職場のメンバーに伝える手段が大問題でした」と振り返る。
それは営業とサービス合わせて30人ほどが集まる年始のグループ会議でのことだった。今年の方針を発表する場でありながら、
「私は(いつもは真ん中あたりなのに、)最後の発表とされ皆が抱負や現状を語る中、しんがりの私はサヨナラの意思を皆の前で発表する羽目になりました」
新年のめでたい席で、突然の退職発表。場は騒然としたことだろう。男性は「怨嗟の渦で、散々文句を言われましたが」と当時の殺伐とした空気を語る。しかし、そのネガティブな感情は、去り行く男性に向けられたものではなかった。
「部長と課長代理以外、私の辞職の理由を正確に認識していましたので、怨嗟の矛先は課長代理に向けられ、そのままスムーズに辞職する事ができました」
部長としては見せしめのつもりだったのかもしれないが、現場の人間たちは事情をよく理解していたようだ。
※キャリコネニュースでは「上司に『会社やめます』と伝えたとき」をテーマに投稿を募集中です。回答はこちらから https://questant.jp/q/7BKUC4ZS
【実録マンガ】市役所のクレーマー「お前、高卒か?」 → 高学歴男性が「院卒です」と答えた結果
【実録マンガ】「あなたの日本語おかしいわね、日本人?」と電話口でクレーム → 「ご予約いただかなくて結構です」とお断りした男性


