年賀状はもはやオワコンか? 元日の配達枚数は8年連続で減少、LINEでの新年挨拶も若者を中心に広がる
年賀状を書く人が減っている。日本郵政が1月1日に発表したデータによると、年賀状の元日の配達枚数は1人当たり約13通の約16億4000万枚。昨年から約6%減少した。前年割れは8年連続だ。
また、読売新聞が9日に掲載した記事によると、2017年の年賀状発行枚数は約30億枚の見込み。ピーク時の2004年の約44億6000枚から大幅に減少した形となった。
個人情報保護の概念が広がり、知人の住所を知らない人が増えた?
年賀状は、はがきの年間取扱数の約3割を占めるようで、このまま発行枚数の減少が続けば事業への影響は大きい。そのため日本郵政として年賀状減少に歯止めをかけるべく、人気男性アイドルグループ「嵐」を2年連続でCMに起用した。大野智さんらが「もらってうれしい年賀状」とPRするものだが、残念ながら効果は微妙だったようだ。
年賀状が廃れた理由としては様々な理由が考えられるが、ネットでは、
「年賀状の文化は嫌いじゃないんだけど、送り先の住所を知らない」
「SNSの影響より、個人情報保護の影響の方が大きいと思ってる。職場の人もクラスメートも、今は住所お互いにわからないのが普通だから」
など、プライバシーの管理が厳しくなったことを指摘する声もある。
送りたい相手がいたとしても、住所を聞き出すことに抵抗を感じる人がいてもおかしくなさそうだ。また会社によっては「虚礼禁止」として従業員間の年賀状のやりとりを奨励しないところもあるが、こうした動きも年賀状減少の一因だろう。
年賀状の由来は、新年の挨拶に出向く代わりに書状で挨拶を済ませることだ。そのため手紙よりもメールやSNSが普及する現代では、わざわざ手書きする必要性もない。「新しい価値観を作らないと減少するに決まってる」など、ただ書こうと訴えるだけではダメだという意見もあった。
LINEでの新年挨拶「失礼」と感じる人は3割程度にとどまる
LINEが先月に発表した「新年の挨拶風習に関する調査」によると、10代の約6割、20代の約7割が「紙の年賀状よりもLINEで新年挨拶」と回答している。他の世代と比較すると30代では5割、40代では3割であることから、やはり若い世代ほど年賀状は書いていない。
また新年の挨拶がLINEで送られることにマナー違反だと感じる人は約3割にとどまっており、4人に3人は年賀状を出さなくても構わないと思っていることが明らかとなっている。
とはいえ、「でも年賀状もらうと何故か嬉しいんだよね」「悲しい現実。 親がいけないのか、 子育ての過程で放置したのか……」など、年賀状文化が廃れてしまうのは寂しいと感じる人は一定数いる。
手紙がなくならないように年賀状も完全に廃止されるとは考えにくいが、コミュニケーションツールの変化に伴い、発行枚数の減少は仕方のないことだろう。