日本はなぜ「残業天国」になってしまったのか 低すぎる基本給と過剰なおもてなし精神に苦しめられ
こんな社会になってしまった外因的な要因として「残業代ありきの給与体制」が挙げられている。出来ればやりたくないが基本給が少ないため「ある程度やらないと生活が苦しい」と残業をする人も多い。
また、精神的な要因として「日本人の真面目さ」「自己犠牲が美徳」「周りと違うと変な目で見られる」ということもあり、早く帰れば文句や悪口を言われるだけでなく
「本当は定時で帰れるのにいつまでも帰らないおっさんがいて、周りも気を付かって帰れません」
という事態も起きているという。
一方で「一人当たりの仕事量が多い」「残業しないと成り立たない」と人員不足を指摘する人もいる。人件費削減のために必要最低人数で回している企業も少なくない。
また、スレ主が「様」付けで呼ぶと公務員も決して全員が定時上がり、ということはないようだ。
「公務員様の様は余分。始業前、終業後も前&残業やってる公務員も存在してる」
「みんな定時で帰れるなんて幻想。サービス出勤・残業もあります」
「モーレツ社員」がモーレツ過ぎた結果、現代社会人が必死に残業
日本の残業文化は高度成長期の名残、という指摘もあった。当時は「残業すればするほど残業代が出たから、お金が欲しい時にはわざとゆっくり仕事して残業をする人もいた」という。またその時代は毎年給料も上がっており、希望は見えていた。
しかし、今は昇給も終身雇用の保証もないのに、当時のいわゆる「モーレツ社員」が作り上げた美徳のみ残ってしまっているというのだ。
また、最近は消費者意識の高まりからサービスが過剰になり、それが現場の疲弊に繋がっている、という見方もある。「当日配達」や「24時間営業」などは最たる例だろう。
「日本人のおもてなしサービス精神は自分達を苦しめてることになるね」
残業対策についても、会社ごとに差が出てきている。大手企業で働いている人は「入社すぐは月150時間残業していたけど、最近は月80時間厳禁になった。日曜の出勤も禁止。これから変わっていくと思う」という。一方で、下請け企業従事者は「自殺者の出た某業界だけど、一社だけ変わってもねえ…」と憂う。
性質、時代、会社の風土……残業天国な理由は人それぞれだろう。日本人が理不尽な残業から解放される日は来るのだろうか。
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