新社会人女性は「メリハリある働き方」志向 許容できる残業は「40時間以内」が9割
「将来管理職になりたいか」という質問には40.8%が「はい」と答えた。理由を複数回答で聞いたところ、「キャリアアップをしたいから」が最も多く、「賃金を上げたいから」、「マネージメントに興味があるから」が続いた。
政府は2020年までに指導的地位に占める女性の割合を30%に引き上げるという目標を掲げているが、女性の志向だけを見れば、この数字を達成するのも夢ではない。
一方で許容できる残業時間は「10時間未満」が20.4%、「10~20時間」が36.6%、「20~40時間」が31.7%と、40時間以内を希望する人が9割に上った。就業時間内で成果を上げて残業を少なくし、終業後はプライベートを充実させたいと希望する女性が多いようだ。
パートナーには「出来るだけ残業せず、家事・育児に協力する人」を希望
結婚後の働き方については「子どもが生まれたら休職して子育てが落ち着いたら復職したい」が50.3%と半数を超えた。「結婚、出産をしてもずっと仕事を続けたい」も30.2%に上り、ライフイベントを迎えても働きたい女性が8割になる計算だ。
復職・仕事の継続を希望する人にとっての懸念事項は、「保育園に子供を預けることができない」が1位、「定時帰宅できずに残業する」が2位となった。今年新社会人になった女性たちは、報道を通し、先輩社会人が「保活」に苦労する様子を目の当たりにしている。そうした背景もあってか、子育てと仕事の両立には出産前から気を揉んでいるようだ。
こうした「仕事と家庭の両立」を希望する姿勢は配偶者の選択にも表れており、将来のパートナーに求める働き方では「できるだけ残業をしないで家事や育児に参画してほしい」が73.3%を占めた。
しかし、まだまだ旧来の価値観が根強く残る日本社会。妊娠を理由に理不尽な扱いをされたり、育休を取った男性の昇進が難しくなったりする事例は後を絶たず、仕事と家庭との両立は簡単なものではない。
政府の働き方改革などもあって制度面は整備されつつあるものの、中小規模の余裕のない企業ではまだまだだ。「仕事と家庭を両立しやすい職場」を作るには、長時間労働より短時間で成果を上げる働き方のほうが格好いい、という雰囲気を維持する必要がある。
今回の調査では「仕事は熱心に、残業は少な目に」という理想の社会人女性像が明らかになった。これが女性のみならず「理想の社会人像」として広まれば、働きやすい社会に向けて一歩前進するのではないだろうか。