「退去時の壁紙張り替え費用で30万円の請求」匿名ダイアリーに注目集まる 退去トラブルを防ぐ方法を専門家に聞いた | キャリコネニュース
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「退去時の壁紙張り替え費用で30万円の請求」匿名ダイアリーに注目集まる 退去トラブルを防ぐ方法を専門家に聞いた

部屋を退去する際、「部屋の床の補修」などと称して不動産業者からお金を請求された経験はないだろうか。知識のない人にとって不動産契約は複雑のため、頭を抱えやすい。

はてな匿名ダイアリーには4月19日、「賃貸の退去費用が思ってたより多額だった」という投稿が寄せられた。投稿者は間取り3LDKのマンションに8年間住んだ人物で、退去の際に不動産業者から壁紙の張り替え費用として30万円ほど請求されたという。

これに不満を抱いた投稿者は、業者と物件所有者の担当者に納得いかない旨を伝え、その過程を綴った。

壁紙張替えのため30万円を請求、食い下がったら5万円に減額

なんで高額な張り替え費用を払わないといけないの?

なんで高額な張り替え費用を払わないといけないの?

投稿者は、不動産業者と物件の所有会社の担当者に会い、両者に費用発生の理由を質問した。担当者からは、「引っ越し時には原状回復をしなければならない」「負担割合は業者と所有会社が決めた」などの回答があり、支払わないのかわからないという嫌な態度だったという。

その後投稿者は、国土交通省が発表した原状回復に関するガイドラインをもとに請求項目の詳細な算出や負担率の見直しなどを要求し、請求費用は最終的に5万円まで下がり、預けていた敷金から精算した。

特定を避けるためか「金額・負担割合はかなり近しいダミーです」というが、それでも何も言わなければ数十万円を払うはめになっていたことに怒りを感じ、

「これって何も言わなければ確実に詐欺られるところだったよね。こんな不動産業者ばかりじゃないと思いたいけど、こういう業者もいるよって話」

と注意を呼び掛けた。

この投稿には約1400件のはてなブックマークがつき、多くの人の関心を集めた。コメントには「ひどい業者だな…」「業者悪質」「退去時の忙しさにふっかける業者っているんだろうな」など、話を読む限りぼったくりともいえる不動産業者への批判が続出した。

実際に退去時に支払いを要求された人もいるが、投稿者と同様に納得いかない旨を伝えることで、請求そのものがなくなったという書き込みも寄せられている。壁紙の日焼けと引き戸の開け閉めによる擦り傷の修繕費を請求されたといい、

「驚いて『二年以上住んでるし経年劣化では?』と聞いたら請求なしになった。抗議しない人からは金とってたのかと疑問に思ったけど 」

と書いている。

契約書の中の特記事項は見逃しがち 内容を把握してから契約を

今回のような退去トラブルは多いのだろうか。「不動産の伝道師」として活動する安孫子友紀さんはキャリコネニュースの取材に対して、

「退去時の費用請求は、賃貸トラブル件数の上位に入っています。内容としては今回のような壁紙張り替えのほか、床の補修と称して異常な額を請求されることがあります」

と語る。借主には原状回復義務があるが、普通に生活していれば壁紙は多少汚れて当然だ。張り替え費用は借主が負担し、貸主はノータッチなのだろうか。この点については、

「原状回復費用の負担は、貸主負担の割合が大きいです」

と話す。

場合によっては、借主が費用負担するケースもある。ジュースなどをこぼした後にすぐに拭き取らなかったために汚れが取れなくなるなどの過失の場合などだ。ただこの場合は、部分的な修復にとどまるため、「全体のクロス交換費用を支払う必要はない」という。ただし、「タバコのヤニやペットの臭いの場合は、借主負担でクロスを全体交換します」と忠告した。

退去トラブルを防ぐにはどうすればいいのだろうか。

「契約する前に、重要事項説明や契約書の内容を確認し、内容を把握したうえで契約をすることが大切です。特に『特記事項』は見落としやすいので、注意しましょう」

と、書類内容の理解が曖昧なまま契約しないことを強調する。特記事項欄には退去時のクリーニング費用負担などが書かれているため見逃さないようにしたい。

入居前に部屋の様子を撮影しておくと後のトラブル回避につながる

また、「書類確認以外にもできることがある」と安孫子さんは話す。

「部屋の様子を細かく撮影して、入居時に不動産業者から渡される入居チェックリストの控えを一緒に保管しておくと、後のトラブルを防ぐ対策になります」

新築物件でなければ、床などに傷やへこみがあることがある。内見時に写真に残しておけば、退去時に費用請求された際に「もとからあったものです」と主張するための証拠になる。

退去時の費用請求でもめた場合の対処法について安孫子さんは、

「双方の協議が不調な場合は、各都道府県県庁または消費者庁に問い合わせしましょう」

と話していた。

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