相席屋が「相席選考会」開催! 学生同士でコミュ力を評価し「恋愛マスター」を目指す
会場の相席屋六本木二号店に集まったのは、大学4年生やブライダル系の専門学校生、既卒生など合わせて15人。男女比は2対3と、若干女性の方が多い。貸切られた店内では軽快な洋楽が流れ、就活の選考という堅い雰囲気は感じられない。
参加を決めた理由を聞くと、
「お互いの評価で選考結果が決まるなんて面白そう、画期的だと思って」
「これを通過すれば次は最終面接。早く内定を獲得できるかもしれないのが魅力的だし、なにより楽しそう」
といった返事が返ってきた。飲食業界やブライダル業界が第一志望の人もいるが、「楽しそうだから」と、制度そのものに興味を魅かれて来た人が多い。通常の就活の選考にはない斬新さが学生の心を掴んだようだ。
早速、女性3人と男性2人、計5人のグループが3つ作られ、人事部長の「相席屋でー?」「かんぱーい!」という音頭で選考が始まった。さながらサークルの飲み会である。
「こないだ彼氏にふられてさー」プライベート全開で楽しむ参加者達
初めは緊張でよそよそしい、といった様子も見られず、まるで旧知の仲であるかのような賑わいぶりだ。会話の声も、店内の音楽に負けていない。
「下の名前で呼んで」「いきなり下の名前呼び捨てとかハードル高いわ!」
「サークル何やってるの?」「吹奏楽。小学生からずっとパーカッション一筋」
など、自己紹介やサークル、アルバイトの話で盛り上がる。地元が同じことが偶然判明して意気投合したり、幼少期のエピソードを披露しあったり、笑い声が絶えない。他にも
「こないだ彼氏にふられてさー」
「ディズニーランドのぬいぐるみの値段って前より上がったよね」
など、聞いているこちらが、就活の選考の取材だと忘れそうになるほど楽しそうだ。
食事はビュッフェ形式のため、各自好きなものを好きなだけ食べることができる。中にはグループメンバーの好き嫌いを聞いて、率先して料理を取り分けてくる男子学生もいた。気配り力が発揮されている。
「積極性のある参加者ばかりで弊社とマッチしそう」
途中で席替えを挟みつつ1時間ほど歓談を楽しんだら、用紙に相手の印象を記入し、選考終了である。広報担当者は開催を振り返り、「お酒の力もあるのかもしれませんが、皆さんすごく自然体で参加していただいたようで嬉しいです」と満足げだ。
「入社後は店舗に配属されることもありますから、実際に店舗で働くイメージを持ってもらう意味でも、就活生・弊社双方にメリットがある選考会だったと思います。様子を見ていた限りでは、弊社とマッチしそうな人ばかりでした」
また、「こうした選考に参加するのは、積極性がある学生さんなのだと思います」とも話す。確かに参加者は「今日のために話すことを用意したりとかはしていない」「人と話すことが好きなので、なんとかなると思ってます」と、コミュ力の高さを伺わせていた。
人事部では、あまりの盛況ぶりに急遽追加開催を決定した。次回は5月30日、開催場所は今回と同じ相席屋六本木二号店。応募はマイナビから受け付けている。
選考終了後は、男子学生が女子学生に個人的に連絡先を聞く様子も見られ、社員は遠巻きに「弊社は恋愛創出企業なのでそういう積極性も大切」と見守っていた。