メルカリで「学位記入れ」売買の謎 人気は早慶、「学歴詐称」が目的なのか
5月19日の午後、メルカリで「学位記」と検索すると35件がヒットした。説明欄を見ると軒並み「中身はありません」「中身はつけないつもりです」と記載されている。つまり卒業を証明する学位記ではなく、学位記入れのみが売られているということだ。それでも12点が売買成立している。
出品点数が多いのは、慶応義塾大学と早稲田大学。価格は大体1万5000円~2万7000円に設定されている。他にも、一橋大学や東京工業大学、東京大学や京都大学といった国立大学のものも出品されていた。
ちなみに最も安値で購入されていたのは東工大の3000円で、最も高値だったのは慶応大学の2万5000円だった。また購入されていないものだと、東京大学の学位記入れが13万円で出品されていた。このコメント欄には、
「学位記入れでなく学位記そのものを購入することは可能でしょうか?」
と交渉を持ちかけている人もいた。
詐称がバレやすい東工大、バレにくそうな早慶
他人の学位記入れなんてものを買って、一体どうしたいのだろうか。ITジャーナリストの井上トシユキさんは「学歴詐称のために購入しているのでは」と語る。ネット上にアップされた学位記の写真から偽造学位記を作り、メルカリで買った学位記入れに入れているのではないか、というのだ。
出品されている大学や金額の傾向については、
「東大京大は詐称目的ではなく、レアものとして購入する人もいると考えられます。東工大が安値なのにあまり購入されていないのは、理系は専門知識が必要なため詐称側のハードルが高いからじゃないでしょうか」
と話す。一方、早稲田や慶応の購入率が高いことについては、文系学部があるということだけではなく「マンモス大学だからバレにくい=詐称しやすい」と考える人が多いのでは、と考えているようだ。
「変な話ですが、『慶応でも偏差値の高い三田キャンパスは無理でもSFCならイケるだろう』とか、身の丈を考えて購入している人もいるのではないでしょうか」
学歴コンプレックス故にそのような思考に至るのも理解できなくはないが、経歴詐称がバレたら、築き上げた信頼も崩れ落ちてしまう。せめて部屋に飾って置く程度にとどめておきたいものだ。