「ブラック企業で働いたことがある」半数以上が回答 「水を飲んでいるとサボり扱い。トイレも自由に行けなかった」
総合求人情報サイト「はたらこねっと」を運営するディップは8月29日、「はたらこねっと ユーザーアンケート ―ブラック企業で働いたことはある?みんなの体験談と対策―」のアンケート結果を発表した。
調査は6月5日~7月9日、はたらこねっとユーザー263人を対象にインターネットで実施。52%が「ブラック企業で働いたことがある」と回答していた。
「ブラック企業と感じた業種」を聞くと、1位は「サービス関連」(23%)、2位「流通・小売関連」(16%)、3位「IT・通信関連」「医療・介護・福祉関連」(同10%)となっている。
「22時あがりなのに6時半出勤。管理職は激務自慢」
「ブラック企業だと感じた理由」を聞くと、1位は「募集内容と実際の雇用条件・待遇が異なっていた」で46%。あるサービス関連従事者は「正社員で採用されたのに、初出社の前日に最初の雇用形態は正社員ではないと説明された」という。
「勤務時間は1ヶ月ごとの変形労働時間制と承知していたが、いざ出勤するとシフトが前日22時あがりで翌日6時半出勤。管理職の方々は休憩時間になると激務自慢」
その会社は労働基準法違反で裁判沙汰になっているにも関わらず、何も改善されていなかったという。
2位は「長時間労働が強要されている・常態化している」「パワハラ・セクハラが行われている」(同40%)。別のサービス関連従事者は、「終礼で、何十人もいる前で、ミスした人を泣くまで吊し上げる」ことがあったという。終業後30分以上終礼が続いても時間外手当は出ず、また、
「自席で水筒の水を飲んでいるとサボっている、と嫌味を言われ、トイレにも自由に行けなかった」
などのパワハラが横行していたという。3位以降、「充分な研修がされないまま仕事を任される」(37%)、「残業代が支給されない」(35%)、「上司、上層部のコンプライアンス意識が低い」(34%)となっている。
ブラック企業を見分けるには「実際に働いている人をチェック」
ブラック企業に入社した人は、どのような対応をしたのだろう。最も多かったのは「すぐに辞める」で50%。残りの半数は、「周りに相談する」(30%)、「慣れる」(9%)、「労働局へ相談」(8%)など、すぐに辞める決断はしなかったようだ。
ブラック企業に入社しないための事前対策を聞くと「契約内容を細かく確認する」(31%)、「働いている人、雰囲気を見る」(23%)が多かった。一方で「見分けるのは難しい」(17%)という声もあがっていた。具体的な意見としては、
「求人票だけでは見抜けないことが多いので、面接時に勇気を出して聞きたいことを聞いてみる。月の平均残業日数や残業手当について、ノルマがあればそういったことも」
という意見が寄せられていた。また「ネットで口コミを見る」ことも有効なようだ。他にも、
「従業員を良く観察すること。(略)給与面、仕事、対人関係に不満がある場合は、必ず態度や行動に出ています」
「人事の人が相談に丁寧にのってくれない場合は、気をつけた方がよいかなと思う。この場合、人の扱いがザツなケースが多いと思う」
など実際に働いている人の姿をチェックしてみては、という声もあがっていた。
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