「あんなに好きだったのに……」現代オタクの熱が冷める瞬間 「作り手も受け手もオタクオンリー」という指摘も
オタクは結局、足や手を使って自分の求めるものを手にすることに満足を得るタイプの人種だと思うし、「極めた」と思ってもまだ序の口だったりすることに気が付くことが多い。でも、どうも最近はそういうオタクは少ないようだ。
先般、2ちゃんねる改め「5ちゃんねる」にて「オタクを引退・卒業しかけてる人が集うスレ」を閲覧して、そう思うに至った。ここで断りを入れておくと、僕は別に最近のオタクがダメだとか言うつもりはさらさらない。ただ気付いたことを淡々と書いてみるだけだ。
寄せられている書き込みを見ると、どうもオタクの熱量が下火になる傾向に、一定の似通ったものを感じた。それらの一部を紹介したい。
「広まりすぎたってのも個人的にはあるんだよ。今まで散々書かれてきたけどアニメやゲームを現実逃避としてみてたりやってたんだよ。それなのにテレビでも取り上げられたり社内でもアニメの話をしていたりひっそりとやってきたものが急に表に出てしまって、居場所みたいのが占領された気持ちになったんだよ」
「声優にキモいリプ送るのいつになったらやめるのかな。有名人に通報されてもしょうがないようなコメント送っても一切炎上しないの不思議でしょうがない。これに限らず『こんなことやっちゃう俺たち面白い!w』ってノリが最高に寒い」
「作り手も受け手もオタクオンリー。自分たちと同じ嗜好の人間にだけわかればいい。そういう作品ばっかりでタコツボ化してるんだよ」
オタクを辞めようとする原因が本人の熱量以前に、周辺の動静が影響しているように見受けられる。こっそり楽しんでいたけど、最近話題になって居場所を取られた気分になったり、マナーの悪い変なオタクを見て辟易したり、作り手もオタクだから俯瞰で見るとすごく狭い世界になっていたり。
このような傾向が、今のオタクを冷めさせている要因になっている部分は、大いにあるのではないだろうか。実際変な奴多いし、一緒に見られたくないという気持ちも分からないでもない。
素直に楽しめなくなった時点で、オタク卒業という選択肢はアリ
僕は「はじめにコンテンツあり」というスタンスでオタクをしてきたので、周囲にオタク仲間なんてそんなにいない。そこに面白いモノがあるからオタクをしているだけだ。
誰かと一緒にイベントに行くのもめんどくさいし、そんな暇があるんなら家でフィギュアを作ってるほうがマシだ。どうせ僕好みのグッズを出すような企業なんてないし。
だから周囲のオタクのマナーがどうとか、あのアニメの監督が降板させられたとか、そういうことで逐一憤ったり、ファンを辞めたりということもないし、正直そんなオタクの気持ちも分からない。特にオタク趣味なんてジャンルが違えば集まる人間の性格も全く異なるものだから、理解できなくても当然とも思う。
ただ、オタクを辞める原因が、周囲のおかしな環境にあるというのは、受動的な理由で一方的に辟易をしているだけのようにも思える。実際、変なオタクが増えてしまって、どうにも同一視されたくもないという気持ちが沸いてきた以上は、もうオタクを辞めてしまってもいいように感じる。
オタクなんて、そもそも誰かに求められてやっているというものでもないし、本人がやろうと思ってやってきた趣味なんだから、苦痛ならやめればいいだけだ。
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