エスカレートするブラック企業の嘘、暴言「給与を100万円偽って求人出稿」「労基署の監査に『我々は負けない!』」
雇用形態を偽ってでも採用できればいいと考える企業は、ほかにもある。現在40代の女性は、かつて超大手企業の子会社で管理・事務職として働いていた。女性は採用時の様子を次のように振り返る。
「年収、仕事内容、雇用形態を面接時に騙して採用。『正社員』と募集して実態は契約社員で、年収も実態よりも100万円以上高く提示」
女性はさらに、「『だます』という行為をするのが1人や2人ではなく、役職者は全員何かとだましてくる。入社してから『話が違う』と怒ってすぐに辞める人が後を絶たず、転職サイトの常連です」と続けた。
不正確な情報を求職者や社員に伝えても罪悪感のない社風のようで、5年間在籍したのに人事異動で条件を偽られ、心が折れた末に退職。「もっと早く辞めていればと後悔しています」と心境を吐露した。
社内では「病気になって一人前」、社外では「社員の幸せが一番!」とアピール
営業事務として働いていた20代女性は、入社前に会社の決起大会に参加した。壇上に立った部長が言い放った言葉を聞いて、唖然としたという。
「何度も労働局から監査を受けているが、我々は負けない」みたいなことを言っていて、すぐブラック企業だと分かった」
女性は、新入社員のころから毎日20時半~21時まで残業が当たり前だった。残業時間が100時間に達しても残業代を支払われることはなく、定時になると先輩が勝手に全員のタイムカードを押していた。なぜか労基法がまったく通用しない環境だったという。
クリエイティブ職の30代女性は、上司から「病気になって一人前」と発言され、多忙でどうにもならないことを訴えても、「お前が遅いからだ」と一蹴された。
クリエイティブ職は企画立案など頭脳労働がつきもののだが、「考えてる時間は給与に換算するのおかしくない?」などと言われてしまう。それなのに社外的には「社員の幸せが一番です!」と掲げているという。どこから突っ込めばいいのか、呆れるしかない話だ。