【Indeed Japan代表 高橋信太郎氏インタビュー】人材採用難の時代に求められる「オウンドメディアリクルーティング」とは | キャリコネニュース
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【Indeed Japan代表 高橋信太郎氏インタビュー】人材採用難の時代に求められる「オウンドメディアリクルーティング」とは

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世界60カ国以上、28言語で事業を展開し、月間2億5千万人以上のユーザーが使用する世界No.1求人検索エンジン*「Indeed」。日本での月間訪問数も2350万人を超え、今後ますます普及していくと見られている。

国内では近年、人手不足が深刻化しているが、今後企業はどう対応していけばいいのだろうか。「オウンドメディアリクルーティング」という新しい採用手法を提唱しているIndeed Japan(東京都港区)の代表取締役 高橋信太郎氏に話を聞いた。

*出典:comScore 2018 年 3 月訪問数

「仕事を選ぶリテラシーの向上」「価値観の多様化」…求職者は急速に変化している

――まず、Indeedについて教えてください。

Indeedは、「We help people get jobs」を企業理念として、求職者が素早く、簡単に、自分の興味ある仕事と関連性のある、求職者にとって最適な求人情報をできるだけ多く表示させるということを目指した、世界No.1求人検索エンジン*です。全国の求人媒体から企業の採用ページまでインターネット上のあらゆる求人情報を集約し、整理して表示させています。複数の求人サイトを行き来することなく、一括で求人情報を検索可能です。

また、求職者の検索履歴をAIが学習することで、検索結果の表示順位をパーソナライズしていきます。Indeedを使えば使うほど、使いやすく最適な求人を見つけやすくなる仕組みです。

*出典:comScore 2018 年 3 月訪問数

――多くの企業が直面する人材採用難の理由をどのように考えていますか。

高齢化に伴う人口減少で働き手が減っていることももちろんありますが、採用側の企業がきちんと「活躍できる人材像の定義」を明確に行えていないことが挙げられると思います。特に中途採用の場合、求める経験やスキルを具体的に提示しなければ、欲しい人材と出会うのは難しいでしょう。

また、求職者側にも変化が起きています。大きく2つの変化があり、1つ目は求職者が仕事を選ぶ際のリテラシーが上がったこと。もう1つは価値観が多様化していることです。企業は、その変化に対応する必要があります。

――求職者の「仕事を選ぶ際のリテラシーの向上」といいますと、具体的にはどのような点が向上しているのでしょうか。

いまや20代・30代の9割がスマートフォンを持ち、情報を手軽に手に入れる時代です。求職者は主体的に情報を収集し、企業サイトや公式SNSアカウントなど、企業が発信する情報は採用関連に限らず網羅的にチェックしています。

その結果、検索力や、得られた情報を選ぶ力も向上しているのです。求職者の約8割が会社のHPを見に行くという調査結果もあります。

また最近は、業種や職種のカテゴリに沿って仕事を探すのではなく、「フリーワード検索」がよく行われています。「エンジニア×データ分析×東京」といった具合に、より自身のスキル・志望に近い求人情報にたどり着くための検索をする人が増えていると考えられます。

――求職者の「価値観の多様化」についてはいかがでしょうか。

ミレニアル世代を中心として自分の価値観を重視する人が増え、自分らしく生きるための働き方が加速度的に広がっています。それに伴って、求職者が企業を職場として魅力的だと思う基準も多様化しているのです。

企業の知名度や規模、金銭的報酬だけではなく、例えば「社会に貢献できるか」「仕事や環境を楽しめるか」など、いわゆる「意味報酬」も重視されるようになっています。

主体的な情報発信で求職者と「出会い」、求職者に「選ばれる」ことが可能に

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――行動や価値観が変化する求職者に対し、企業はどのような取り組みをすべきでしょうか。

企業は、自社の採用サイトやSNSなどのオウンドメディアを活用し、主体的に求職者に情報発信をすることが必要であると言えます。仕事を選ぶリテラシーが向上した求職者と「出会い」、そして仕事に対して多様な価値観をもつ求職者に「選ばれる」ための情報発信が必要なのです。

そこでIndeedは「オウンドメディアリクルーティング」を提唱しています。

ジョブディスクリプションとシェアードバリューコンテンツの発信が採用強化のカギ

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――「オウンドメディアリクルーティング」について具体的に教えてください。

「オウンドメディアリクルーティング」とは、採用サイトやSNSなどの自社メディアを使いながら、求める人材に対して直接メッセージを発信し、共感を喚起することで人材獲得につなげていく能動的なリクルーティング手法です。

オウンドメディアリクルーティングでは、求職者と「出会う」ために「ジョブディスクリプション」を、そして「選ばれる」ために「シェアードバリューコンテンツ」を発信することが重要です。

ジョブディスクリプションとは、日本語では「職務記述書」と呼ばれ、業務内容や必須スキル、望ましいスキルといった仕事上の役割や必要な能力を精緻に言語化したもの。一般的な「募集要項」に比べて、より詳細に記載されているものです。ジョブディスクリプションを採用サイトで明示することで、求職者に検索で見つけてもらいやすくなるでしょう。

まずは自社が求める人材を具体的に定義したうえで、具体的なジョブディスクリプションとして明文化し、採用サイトに掲載することが重要です。

次に「シェアードバリューコンテンツ」ですが、求職者は、自分の価値観が企業に合うかを鋭い視点でチェックしているため、企業文化や社風、行動様式、企業理念などを明確に発信していくことが大切です。例えば採用サイトに顔の見えるトップインタビューやオリジナルムービーを掲載してパーパスを伝える、社員インタビューやオフィス環境の紹介などでカルチャーを伝えることも有効です。

現場感の伝わる情報が載っていたほうが、求職者はより想像力を掻き立てられますよね。特に転職者は仕事選びが自分の人生に大きく関わってくるため、企業の魅力や姿勢などをしっかり見て選択しています。そのため、できる限りリアルな情報を提供したほうがプラスになるでしょう。

また、シェアードバリューコンテンツは「インナーブランディング」にも効果を発揮します。オウンドメディアを通じて社員の自社に対する理解が深まり、エンゲージメント向上にもつながるでしょう。その結果、社員自身が「採用メディア」となって、リファラル採用*が増えたという企業もあります。

*働いている社員からの紹介・推薦による採用

――オウンドメディアリクルーティングに対する、企業の反応はいかがでしょうか。

以前からオウンドメディアでの情報発信を積極的に行っている先進的な企業様もあり、Indeedの目指している方向性にご賛同いただいています。

一方で、中小企業を中心に金銭面やノウハウ面で「オウンドメディアを効果的に運用できていない」「共感性の高いコンテンツを作れない」「発信の仕方が分からない」というようなお悩みもよく聞かれます。人事担当者と現場で働く社員とで、感じている会社の魅力が異なる場合もありますね。

まずは社員インタビューや社内アンケートを通じて、その仕事の面白さや役割を深堀りし、同時に自社にどのような魅力を感じているか聞いてみるのも効果的です。人事担当者が思いつかなかった企業の魅力が発掘できるかも知れません。それらをジョブディスクリプションやシェアードバリューコンテンツとして発信したことで、採用に成功した事例もあります。

オウンドメディアを作り込むことで採用の精度が上がり、結果的に事業の成長にもつながります。人事担当者が自社の魅力を深く認識してそれをしっかりと発信し、求職者とのコミュニケーションをより大切にすれば、それをしていない企業との差別化を図れるでしょう。

オウンドメディアリクルーティングが日本の採用に変革をもたらす

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――「オウンドメディア リクルーティング」を実施した企業の採用サイトとIndeedが掛け合わさることで、さらに採用活動がしやすくなるのでしょうか?

企業が的確なジョブディスクリプションを採用サイトに掲載すれば、Indeedは採用サイトへの求職者の流入を強化することができます。さらに、シェアードバリューコンテンツがあることで、求職者はより深く企業の姿を理解できるでしょう。

かつてオウンドメディアは集客力に限界がありましたが、テクノロジーの進化によって求人情報に特化した検索エンジンが誕生し、その課題はクリアされました。そのパイオニアがIndeedです。

また、従来の採用媒体も求職者とのひとつの接点として同じく重要です。大切なのは、あらゆる採用チャネルを戦略的に組み合わせ、求職者としっかりコミュニケーションを取ることですね。

――「オウンドメディア リクルーティング」を推進するうえでの、具体的な活動内容について教えてください。

Indeedは、「日本の採用市場をより良くしたい」と本気で考えています。求人情報をきちんと伝えることは、求職者にメリットがあるだけではなく、企業側にも大きなメリットがあるのです。

オウンドメディアリクルーティングは、今後の採用を変革する重要なキーワードになるでしょう。そこで私たちは、「オウンドメディアリクルーティング サミット」を開催しています。

第1回は、12月11日に「イノベーション時代に求められる採用とは?」というテーマで早稲田大学ビジネススクール准教授の入山先生や、先進的な採用活動を行っていらっしゃる企業様をお迎えし、セッションを行いました。

――今後もそのような取り組みを継続して行われるのでしょうか。

3か月に1度のペースで、採用業界の有識者の方々や先進的な取り組みを行っている企業様にご登壇いただく予定です。ぜひ多くの人事担当の皆様にご参加いただきたいですね。

2019年秋には、「オウンドメディアリクルートティング アワード」を開催し、求職者の方々にわかりやすい情報や充実したコンテンツの提供を実践している企業様を選出する取り組みもしていきたいと考えています。

これからもIndeedは、求職者目線の事業展開とオウンドメディアリクルーティングの推進によって、日本の採用改革に貢献していきます。

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