ブラック企業が掲げる地獄ルール「トイレ禁止の人はオムツをはく」「裏シフトでサビ残強要」
管理・事務職のアルバイトとして働く女性は、契約勤務時間外に行われる朝礼に参加しなければならなかった。朝礼は「業務開始まで10分~40分はかかる」というほど長く、不満を感じた女性が、参加する理由を上司に聞いたところ、
「それは『なぜ家畜が殺されるのか?』と同じ質問だ」
と逆ギレされたという。言葉選びに悪意を感じる。さらに職場の様子は、「休憩室での仮眠、ゲーム禁止。休憩室にノルマの表が貼ってあり、売上げゼロ社員リストも貼ってあったりする。心も体も休まりません」と続け、「早く辞めたいです」と本音を漏らした。
自転車店で修理担当として働いていた男性は、勤務先のシフト表の横に「裏シフト」なるものが追記され、報酬が発生しない勤務を強要されていた。上層部は「人手不足だからと黙認していた」と明かす。
男性が働く修理現場は、上層部から嫌われた人が異動で来る左遷部署で、かつて男性も”流刑”でこの部署に来た。飛ばされてきた従業員への扱いについてトップからは「もっとシゴけ」と指導されたという。
「朝礼も社食も入社順で席に着く」「毎日のおやつ持参を強要」
社員食堂で働いていた50代女性は、「朝礼で並ぶ順番が入社した順だった。くずそうものなら、睨まれた」と話す。
このように序列に厳しい職場のため、食事の際も入社が早い人から順に席につくルールがあった。そんな張り詰めた雰囲気の中、女性は「お通夜の様に黙々と食べた。喋る雰囲気ではなかった。女社会は怖かった」と振り返る。
会話ができないムードは嫌だが、馴れ合いも問題だ。クリエイティブ職の40代の女性は、毎日のおやつタイムが嫌で仕方ない。10人ほどのチームメンバーのひとりとして働いているのだが、
「自分のお金でみんなが食べるお菓子を持ってくる。持ってこないと、嫌みをいわれるぐらいですが、毎日なので結構な出費です」
という。100円のお菓子だとしても、連日だと家計に痛手になる。かといって「私は食べたくない」とも言い出しにくい状況だ。女性の葛藤がうかがえる。
技術職の40代女性が働く職場には、「既婚女性は旧姓を名乗ってはいけないルール」があった。ある既婚社員が反対意見を訴えたところ、「壮絶なパワハラで退職してしまった」という。なぜここまで旧姓を使うことに抵抗があるのか。全くもって謎である。