企業の3割「19年卒内定者の量・質ともに満足していない」 半数の企業で採用数未だ充足せず
採用数だけでなく、内定者の質への不満も燻っている。入社予定者の量・質共に「満足」と答えた企業は38.1%と、2018年卒と比べ1.9ポイント増加したが、量・質ともに「非満足」は32.5%と、この3年間で最も高かった。
充足率が特に深刻なのはエンジニアの採用だ。2019年卒のエンジニアの採用数が計画に対して充足している企業は40.2%だった。企業規模別に見ると、5000人以上企業は60%と高い一方、300人未満企業が 32.2%、300~999人企業が36.1%と、1000人未満で4割に満たない。
採用を充足させるために行った工夫は、ITソフトウェアエンジニア、建築・土木系エンジニアでは「教育・研修制度の整備」、機械・電気・化学系エンジニアでは「インターンシップ経由の採用」が多かった。
全ての職種・業種を対象に2020年卒の採用基準の見通しを聞いたところ、「前年卒並み」が77.1%で最多。「厳しくなる」は8.3%だった。
2020年卒で実施予定の採用方法・形態で最も多かったのは「職種別採用」(55.9%)で、次いで「大学・大学院卒業後 3年以内の既卒者の採用」(40.5%)、「日本の大学・大学院を卒業する外国人留学生の採用」(30.8%)と続く。2019年卒と比べると、「卒業後3年以内の既卒者の採用」をすると答えた企業は14.3ポイント増加した。
第二新卒者の採用予定の企業は、2019年卒を対象にした採用時と比較し、全ての企業規模・業種で増加した。企業規模が大きいほど実施率は高く、5000人以上の企業では56.6%で実施予定と回答。300人未満の企業では33.5%が実施を予定と、2019年卒採用時より19.2ポイント増加している。人材確保のため、採用の門戸を広げる企業が増えていると伺える。
新卒採用でAI(人工知能)を導入している企業は2.3%。前回調査時より1.9ポイント増加したものの、ごく僅かだった。導入を検討している企業は11.7%。規模別に見ると、5000人以上の企業では25.7%が「検討している」と回答した。
新卒採用活動にAIを導入することで期待できる成果は、「マンパワーの削減」が76%で最も高く、次いで「合否基準の統一」(46.9%)、「採用可能性の高い人材の抽出」(39.6%)が挙がった。