G7の中で労働生産性が最も高かったのはドイツだ。ドイツの大手自動車メーカー「アウディ」に勤めていた経験のある井上氏は、日本とドイツの働き方の決定的な違いについて説明する。
「根本的には、(日本は)決断しない。特に上層部が決断をしないと何が起こるかというと、『会議をしよう』という話になる。会議をしても『このデータが足りないと決断できないから、これを調べてきてくれ』と言われて、資料を作り直してもう一度会議をする、みたいなことを繰り返していて、労働生産性が上がるはずがない」
日本は決断するスピードが非常に遅く、1つのことを決めるのに時間を必要以上に使ってしまうため、仕事が長引いてしまい労働生産性は上がらないという。
確かに、このような働き方が当たり前になっていると、どれだけ労働時間短縮を呼びかけても、質の高い働き方を実現することは難しい。
「外資は意思決定しない人は評価されない、出世できない」
そして、井上氏は迅速な意思決定をするためには、意思決定をする人を評価する文化を作る必要性を訴える。「意思決定力を社会全体で上げていかないと、根本的な働き方改革にはならない」というのだ。
「外資だと意思決定をしない人は評価されない。責任を取るリスクがあるけど、『意思決定をしないのはダメなリーダーだ』っていう文化が根づいているので、意思決定をしないと出世できない」
日本では挑戦して失敗した人に厳しい。結果ではなく挑戦したことを評価する文化が浸透していくと、労働生産性の向上に繋がるかもしれない。
ネットでは「会議が仕事だと思ってる人、多いね」、「責任回避の日本人のメンタリティーを変えなければ経済後進国に陥りそう」と意味のない会議が多いと嘆く人、現状を憂いる人の声が寄せられた。