建築会社で、現場監督兼デザイナーとして働いていた30代男性は、社長のパワハラに苦しみ、「地獄のようだった」と振り返る。社長は感情のコントロールができず、不快なできごとが起こると周りに当たり散らした。
またターゲットを決めて嫌がらせを行っており、男性も社長から目をつけられてしまった。些細なミスで鬼の首を取ったかのように責めたて、わざと無理な仕事を押し付け「無能だ」などと罵った。
「仕事を奪われ、毎日草むしりや倉庫整理の雑用ばかりしていました。『退職願を書いて持って来い』『給料を貰えると思っているのか』などと脅してきました。極めつけは、これまで提出した有給申請をなかったことにし、私を無断欠勤扱いにしていたことです」
限界に達した男性は、労基に相談して退職した。
販売・サービス業の30代女性は、会社が自社倉庫を拡張したところ深刻なスタッフ不足に陥ってしまう。店の販売員を配置転換したが、仕事内容が違うことから不満を抱き、退職する人が続出したためだ。女性は、
「人が減っても仕事の量は変わらないので、残業が増えて長時間労働に疲れてさらに辞めていきます。働き方改革で残業ができないので、朝早く来て無給で働いています。ひどい会社です」
と現状を嘆いている。
「人員補充がなく仕事は上乗せ。毎日残業。ランチにすら行けない」
介護施設でスタッフをしていた20代女性は、入社5年目に体調が悪化。自分の身体を支えるのも難しくなってしまう。将来に不安を感じた女性は、上司に退職を申し出たが、
「3か月後でないと辞めさせられないと言われました。このままでは身が持たないので、ドロップアウトしました」
という。退職は、労働者の一方的な意思表示により効力が発生する。民法では定めのない雇用契約について、解約申し入れ後2週間で終了する。ただ就業規則で「1か月前に退職を申し出なければならない」とある場合もあるが、彼女の状態で退職を引き止めるのは酷すぎるのではないだろうか。
営業職の30代女性の元勤務先では、人員不足でもスタッフの補充がなく、「業務が上乗せされていく状態でした」という。毎日のように残業するどころか、ランチ休憩にもいけないほど働いていた。自分の時間がとれないことを不満に思い、女性は退職を決意した。