義務化に否定的な企業は、
「個人の有給の取得予定は不明なことが多く、年間予定が立てにくい。さらに、元々休日が多く少人数なので、生産性が上がらなくなる」(流通・小売関連)
「有給休暇が10日程度の社員は、5日の有給休暇取得義務により、個人の病気等に使える有給休暇が減ってしまう」(広告・出版・マスコミ関連)
「業務内容や勤務状況の改善がされないまま、表向き有給のみを義務化されたところで、サービス残業やサービス出勤、持ち帰り残業など、ブラックな形態が増えるだけだと思う」(福祉)
「翌年に繰り越して長期休暇を取るなどの自由度を奪うことになる」(IT・情報処理・インターネット関連)
などの理由を挙げている。
現在、有休の取得を促進していると答えた企業は70%だった。促進している業種は1位が「金融・コンサル関連」で100%、次いで「商社」が79%、「IT・情報処理・インターネット関連」が77%だった。
有休取得を促進する理由は、「社員の満足度向上のため」が67%で最多。2位が「社員の健康のため」(58%)、「有給取得の義務化の法に準拠するため」は42%で3位だった。
「有休取得を促進していない」と答えた割合が多かったのは、1位が「広告・出版・マスコミ関連」(36%)。次いで「流通・小売関連」(34%)、「不動産・建設関連」(27%)と続く。
有給休暇の取得義務化にあたり難しい点や課題を聞いてみたところ、「人員不足」(65%)、「業務量が人に偏っている」(60%)という回答が多かった。取得義務化には、「有給休暇の計画的取得」(83%)、「有給休暇取得のための周知・啓発」(81%)で対応すると回答した企業が多かった。