都内の飲食店で働く40代男性は、「パワハラやサービス残業で休職を余儀なくされ、身体症状症と診断されました」という。身体症状症とは検査では異常がないのに、痛みや吐き気などが続く病気のことで、ストレスが原因とされる。
今年3月末、企業側は男性の体調や都合を無視して一方的に面談を要求し、就業規則を逆手にとり「労働できる状態ではない」と退職勧告を突きつけた。この対応に男性は、
「飲食業界は『人がいない』『離職率が高い』と言いながら、従業員が壊れたらゴミを不法投棄するような扱いをします。最低です」
と憤っている。
同じく飲食業界で働く30代男性は、毎日12時間以上働くのが当たり前で、「休みは週一の定休日のみ」だという。今年のゴールデンウィーク、世間は10連休だったが、「連休があると定休日も営業するので、唯一の休みが消えます」と嘆く。
出産・子どもの行事で有休は取らせないのに、会社開催のBBQは家族参加が慣例
管理・事務職をする50代女性は「欠勤・遅刻・早退をすると給与が出なくなるのに、残業代は出ませんでした」と、元勤務先への不満を募らせる。終業後はもちろん、早朝、休日、有給中でもメールや電話連絡は当たり前で、応答しないと怒られた。勤務環境は最悪で、
「オフィスでは仕事中に周りからさまざまな物が飛んできます。ホワイトボードは物が当たっていろんな所が陥没し、書棚は歪んでいました」
と当時を振り返った。
営業職をする20代女性の元勤務先には、「男性社員は奥さんの出産に立ち会ってはならない」との決まりがあった。子どもの行事や家族旅行を理由にした有給は認められず、どうしても休みたい男性は当日に病欠を装っていた。男性の育休取得を望む声がある中、時代の流れとは完全に逆行している。
「上層部は、『家族を支えるためには、大黒柱の男性社員が金を稼がなければならない』→『仕事をしなくてはならない』→『会社を休んではいけない』という考えを持っていました。 彼らは転勤や激務で家族と過ごす時間が少なかったため、『夫が家庭にいなくても子育ては成り立つ』と思い込んでいました」
その一方、会社主催のBBQには社員の家族を同伴させるのが習慣で、上層部は「社員の家族との交流も大事にしています」と満足気だったという。
従業員の働きやすさを考えず、自分勝手な理屈を押し付けてくるブラック企業。プライベートの時間を奪われ、まるで奴隷のように仕事だけをさせられては、人生に豊かさを感じられない。このような悪質な企業は一日も早くなくなってほしい。
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