技術職の30代男性の元勤務先は、昭和の時代にタイムスリップしたようなコンプライアンスのかけらもない会社だった。
「社長はデータを信じず、精神論ばかり。24時を過ぎても働かされていたのに残業代は出ません。『ボケ、カス、死ね』などの上司の暴言、労災の隠蔽」
管理・事務職として働く30代男性は、社長の異様な言動を語った。「自社ホームページに毎日、社長のいいエピソードがアップされ、それを見ることが義務化しています」という。さらに、
「社内の花壇に苗を植えてあるのですが、それは私たちが自腹で購入し、日頃から業務時間外に手入れや水やりまでしています。それなのに来客者には、いかにも社長がお金をだして手入れしている体で言わなくてはいけないのです」
と明かした。
「殴られる、工具を投げつけられる…。上司に相談をしても『自己責任で、無能だな』」
技術職の30代男性は過去に、従業員が必ず2年未満で離職する一族経営のブラック企業に勤めた。業界を代表する半世紀以上の歴史を持つ会社だったが、「歴代の定年退職者は役員以外に存在しなかった」という。
「入社したての人が怒鳴り声上げては2週間で人が突然いなくなるなど、ものすごい職場でした。なんでも入社した人が無視されまくりで全く仕事をさせてもらえなかったとのこと」
新入社員は決して若い人ばかりが入社しているわけでなく、技術を持ったベテランや大手役員クラスの人もいた。男性は「どこからどう見ても尋常ではない環境」と語り、側近として脇を固める上層部に相談しても無駄だった。
「経営陣は好き嫌いが激しい人たちだったので、壮絶なパワハラが始まり、自分も殴られかけたり、工具を投げつけられたり、陰口を延々と隣で聞かされたりなど…。上司に相談をしても『自己責任で、無能だな』の一言。 さらに『人事に言ってもムダだから』と典型的なブラックのやり口でした」
そんな大手ブラック企業も、現在は上場しているようだが、転職情報サイトでは相変わらず酷い口コミが目立つとのことだ。
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