認可外保育園でパートとして働いていた30代女性は、園長や上司のパワハラが原因で体調を崩してしまった。「サービス残業は当たり前。熱が出ても出勤を強制され、保育に必要なものはすべて自費」という過酷な状況だった。
「『お前は仕事ができない』とレッテルを貼られて、少しでも意見すると人格否定をされました。園長や上司のパワハラに精神的にも肉体的にも疲れて、うつ病一歩手前と診断され、退職を決意しました」(30代女性/販売・サービス職)
別の30代の女性は事務職で働いていたとき、一向に昇給がなく退職しようか悩んでいたが、「職場で社員同士の不倫が発覚。気まずくなったのか、2人とも出社しなくなったおかげで私の仕事の負担が激増」したという。
「だんだん精神的にゆとりがなくなっていき、常にイライラするようになり、うつ病を発症。出社不能になりました。転職した今はちゃんと昇給するし特に大きな不満もないので止めてよかったです」(30代女性/クリエイティブ職)
この女性は今の職場に満足しているものの、「せめてうつになる前に退職していれば」と、後悔を綴る。
「社長に医師の診断書を提出し退職の意向を伝えるも、説得され残留することに」
うつ病の診断を受けても、なかなかやめさせてもらえない人もいる。現在、販売・サービス職で働く50代女性は、残業・休日出勤は当たり前で、暴言や無視が横行する職場のためうつ病を発症した。
「社長に医師の診断書を提出し退職の意向を伝えるも、説得され残留することに。その後10か月は辛抱しましたが、体の震え、不眠、物忘れなどさらなる体調の悪化があり、退職しました」
退職を申し出たときに引き止められると、自分の仕事ぶりが認められているのではないかと嬉しくなる人もいるだろう。しかし、精神疾患を抱えているにも関わらず退職させてもらえないのは、社員の健康を蔑ろしている証拠といえる。
テレビ関係の仕事をしていた30代女性は「定時という概念がなく、何日も家に帰らない人もたくさんいました」と明かす。
「そんな環境でうつ病を発症し、病院から診断書をもらうも休ませてもらえませんでした。それでも1か月間は22時頃には退勤させてもらっていましたが、『他の社員に示しがつかない』と叱責されたのを機に退職しました」
22時の退勤なら、一般的には十分遅い時間帯だが、この業界では早すぎるようだ。うつ病やパニック障害などの精神疾患は、決して他人事ではなく、誰にでも起こりうる。体に不調が出てきたときは、退職や休職なども含めて、「無理をしない」選択肢を選ぶべきだろう。
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