入社して間もないうちは、仕事を教えてもらえなければ何も手を付けられない。教育係の社員は、他の仕事と並行して、後輩の指導や教育の時間をつくる必要がある。たとえ忙しくても、教育を怠ると、貴重な人材を失いかねない。
技術職の30代男性は「何も仕事を教えないで放置」された。それだけでなく、普段から出社時のあいさつがまるっきりなく、連絡すべきことが共有されない環境だったため、退職を決意したと語る。
他にも、仕事を教えてくれないことを理由に辞めた人の声を紹介しよう。(文:林加奈)
「やりながら学べよスタイルがしんどい」
仕事のやり方は、ある程度覚えられるようになるまでは丁寧に教えてほしいものだが、はじめからそれを放棄されてはお手上げ状態だ。
「周りが中途や歴の長い人ばかりで自分は新卒。教えられることは少なく、とりあえずプロジェクトに入れて、やりながら学べよスタイルがしんどい。学ぶ前に道筋を示してほしいが全くない」(20代男性/クリエイティブ職)
周りに経験者が多いからといって、新人に対しても「仕事ができて当たり前」という認識を押し付けられては困る。
営業職の30代男性は、30代後半の上司と20代後半の先輩がいる部署に配属された際、初日に20代後半の先輩社員から「自分は先輩だけど、お前と直接仕事をするのは30代後半の上司だから俺は何も教えられないよ」と言われた。
年上の後輩にタメ口で上から目線で話すことにも驚くが、はじめから教えないと宣言している姿勢にも呆れるばかりだ。実際に、何のフォローもしてもらえず、困っている男性の姿を横目で見ては「しっかり頑張んないと!」と言うだけで、具体的なアドバイスはなかったという。
「職場環境は最悪で、精神的につらくなり退職を決意しました」
技術職の40代女性が過去に勤務した会社では「上司は仕事を教える気はい。自分で調べないと仕事が進まなかった」という。他にも、社員が数ヶ月で何人も辞めたり、上司が部下をえこひいきしたりする環境に不満が募り、すぐに退職を決意したと語る。
クリエイティブ職の30代女性は、「未経験者歓迎」「教育に力を入れています」という謳い文句の会社に入ったはずが
「配属先の先輩社員たちは仕事を教える気がなく、雑用ばかり押し付けられました。その後も質問したら舌打ちされるなど、職場環境は最悪で、精神的につらくなり退職を決意しました」
と綴る。
教える側にとっては、通常の仕事と並行して教育しなければならない以上、はじめのうちは負担が大きいかもしれない。しかし、増えつづける業務量に対応し、他の人に業務を任せるためにも、新人の教育は避けて通れない。そうしなければ、既存の社員たちの負担が増え、不満もたまり続けるばかりではないだろうか。
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