世の中にはたくさんのブラック企業があふれている。この新型コロナウィルス禍にあっても「バカ野郎! 四の五の言わずに出社しろ!」というようなテンションで、社員を馬車馬のようにこき使う企業もチラホラ。くわばらくわばらである。
しかしこういうブラックな会社ってどうにもうっかりしていると見抜けないもの。今はインターネットを使えば大まかな評判も確認できるようになったが、アンテナが低いとその情報さえつかめないことが多い。
どうにかして入社前に職場がブラックか否かチェックして、ブラック企業を回避したい。そこで今回は「ブラック企業の特徴」に焦点を絞ってみたい。(文:松本ミゾレ)
ブラック企業の特徴、学歴は関係ある?
こういう話を論ずるに最適なのが5ちゃんねるである。労働者の苦しみや怒りなどはスレッドに結構反映されている。先日、「ブラック職場の特徴」というスレッドを発見した。が、これが結構「ブラック職場とは」というテーマに合致する。
スレ主はブラックな職場にありがちな特徴として「高卒の多い職場」と「女性の割合が多い職場」を挙げている。つまり学歴と、人間関係(男女比率含む)がブラックな職場の呼び水と考えているようだ。
共通するのは嫉妬だという。スレ主が考えるブラック職場の女性や高卒の社員は、くだらない噂を立てて人を陥れるのが生きがいになっているというのだ。その上で工場や、生命保険などの職場がブラックになりがちだと主張する。
僕は高卒でサラリーマンになったが、やっぱり大卒に取り入ったり、上司にヘコヘコする高卒の仲間はいた。だけど別にこれって高卒の専売特許ではないように感じる。大卒なのにヘーコラしてる人はいたし。学歴はあまり関係ないだろう。
それから女性が多い職場がブラックになりがちというのは、残念ながら女性比率の低い職場でしか働いた記憶がないため、僕には判断できない。女性が多いメリットもあると思うが、人間関係など厄介なこともあるのだろう。ただ、男性にも人間関係クラッシャーな人はいるので一概に女性だからとも言えない。
「蛍光灯が煌々とついている。標語が貼ってある。机の上が汚い。大声調和がある」
で、このスレッドには他にも色々と書き込みがあり、これまでにブラックな職場で煮え湯を飲んできたであろう人々の経験談も少なくない。ためになる意見も多いので、引用のもと紹介させていただきたい。
「オレは理系で新卒工場勤務、今は足を洗って文系職場。工場はダントツでブラック、二度とかかわりたくない」
「蛍光灯が煌々とついている。標語が貼ってある。机の上が汚い。大声調和がある」
「辞めた人の陰口を延々と続ける人が多い」
と、よりどりみどりである。個人的には「監視カメラで監視している」という投稿に、まだ20歳ぐらいの頃にアルバイトをしていたレンタルビデオ屋の状況に似ているなぁと懐かしい気持ちになれた。
普通ああいう店って万引き防止のためにカメラを設置するんだけど、このチェーン店の場合は社長がバイトや社員を監視するために設置しているという。しかも、それをわざわざ社長が「君たちを監視するためのものだから」とあまりに普通のテンションで言うので、誰も異論を呈せなかったという……。
ちなみに僕の元勤め先はこないだ帰郷したら更地になっていた。他のチェーンもほとんど残っていなかった。ちょっと寂しい。
気になるのは、「宗教が絡んでいる(強制的にそれが絡んでる何かをやらされる)」という投稿。これも田舎だと割と珍しくないもので、そういう職場に入っちゃって後悔したという同級生の悩みを聞いたことがある。
僕自身も、上司から「松本くんは、どこに投票するの? もしこれという候補者がいなかったら、是非~」と暗に特定政党に投票しろと言われたことがある。その場で「わっかりました!」と即答したが、返答に窮していた同僚は、そのあと件の上司からかなり塩対応を受けていた。怖い。都心部ではどうなんだろうか。
しかしアレだ。今回引用したスレッドって、実は2014年の夏に立ったものなのでだいぶ古いんだけど、書かれてある内容は、割と今でも通用するものが多いように感じられる。今も変わらずブラック企業はそこら中にある。
そしてこの世界的な感染症危機にあっても、当たり前に社員に出社を命じているんだもの。憎まれっ子世に憚る。ブラック企業ってのは決して消えない社会悪なのかもしれない。