一部のブラック企業では、社長をはじめとした経営者を神様に見立て、崇拝させているところがあるらしい。ある30代男性が勤務していた会社は、経営責任者である会長を新興宗教の教祖のごとく崇める習慣があったという。
「何をするにも『会長が仰るから』『会長に聞いてから』と、いちいち会長の確認をしなければいけないので仕事が進まなかった」(30代男性/教育・農林水産・その他)
と、当時の経験を明かす。今回は、ブラック企業で社長を神様扱いしていたという経験談を紹介する。(文:林加奈)
「社長を神様のように崇拝して」と言い切る同僚に唖然
都内在住の40代男性は、エンジニア派遣会社で働いていた時「社長を神様のように崇拝していい」と、他のスタッフにはっきりと言われたという。
「朝は大声で朝礼、社長が制定したビジネス10か条を1日1つ唱和する。来客には大声で声をかける。社長の著作を読んで徹底的に礼賛する。まるで宗教みたい」
男性はもともと精神障害を抱えており、当時も障害者雇用で働いていたが「ダメ、できない」は禁句だったと明かす。3年間勤務して帯状疱疹、過敏性腸炎にかかり、不眠による休業を3回経験した末に退職した。
「精神的に社畜化しないとやっていけない会社でした。気持ち悪くて、今でも吐き気がします」と、つらい経験を振り返る。
女社長に言い返すと「誰に給料もらっているの?」と翌日から無視される
事務・管理の仕事をする40代男性が勤務する会社で、勘違いが甚だしい女社長のもとで働いている。男性によればその社長は「自分は神様的存在だ、と勘違いしていて、従業員は社長を崇拝していると思っている」という。
「社員なら何時まででも働かせていいとも思っている。社長自身は家に帰っても話し相手がいないので何時まででも中身のないどうでもいい話に従業員がつき合わされる。小言を言うときは対象者を呼び出し、何時間も説教。言い返そうものなら『誰に給料をもらっているのか』と言われ、翌日から無視が始まる」
傍若無人な振る舞いで社員を疲弊させている社長。従業員を無視するなど社長以前に社会人としての素質を疑ってしまう。給料を払っているのは社長だが、給料を支払えるのは従業員による働きのおかげであることを忘れてはいけない。
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