千葉県銚子市の銚子電気鉄道が、YouTubeで同社の窮状を明かした。竹本勝紀代表取締役は7月22日に投稿した動画で、公式チャンネルを本格始動すると宣言。「銚子電鉄『激辛(げきつら)チャンネル』」シリーズの投稿を始めた。
竹本代表は動画で「ご存知の方も多いと思いますけど、銚子電鉄はなんといってもお金がない会社でございます。持っているものすべて古い、というよりオンボロでございます」と話す。
「線路の石」缶詰セットは1650円
10年前に購入した銚子電鉄の車両もサビだらけだ。「中古のそのまた中古でございます」といい、社員の制服も破れるたびに何度も繕って着用していると話す。
「このままの状況が続きますと、年度末にはおそらく経営破綻であろうと。なんとかして状況を打開すべく売れるものは何でも売ってお金に変える。これが当社のモットーでございます」
動画では、竹本代表が採取した線路内の玉砂利が入った缶詰「~石に願いを~『線路の石』2」を紹介した。銚子電鉄のほか、天竜浜名湖鉄道、えちごトキめき鉄道の3鉄道分の石がセットになっており、価格は税込1650円。
なんの変哲もない石だが、同社のアイドル車掌として知られる袖山里穂さんは「ワックスがけしてあるのですごくキレイです」と説明。用途については「重しに使ったり、眺めたり、インテリアとしても使えますし、悪い人が来た時に投げたり防犯にもなるんで使いみちはお客様の数だけあると思います」と話す。
ちなみに袖山車掌は「おうちに飾ってぬいぐるみたちと一緒に素敵な銚電ワールドのジオラマとして使っています」とのことだ。動画は「銚子電鉄を助けてください」と呼びかけ、終了する。
収益化のため、幅広い事業展開を行っていることで知られる同社。食品製造販売事業では「まずい棒」「ぬれ煎餅」なども販売している。また、映画『カメラを止めるな!』に触発され、経営状況改善を目指し”超C(銚子)級”映画『電車を止めるな!』を制作。今年8月下旬から上映予定だ。
コメント欄には「いきなり代表が出てきちゃうのが好感度高い」「鹿島鉄道、日立電鉄、筑波鉄道…近郊のローカル線が無くなってしまい残念です。銚子電鉄さんは、どうかこれからも頑張ってほしいです!」など応援の声が相次いだ。